小学校の先生のための英語指導スキルアップ講座レポート
松宮新吾教授(追手門学院大学国際学部長)を講師に迎え、58名の先生方は、ペアワークを交えながら、習慣形成理論に基づく⾳声学習・⾳声指導の講座に参加しました。
『Ownership of English (英語はだれのもの?)』
英語表現は、社会的容認性、多様性の受容により、『正しい英語』から『わかりやすい英語』重視になっていること、それゆえ、ことば(文化・社会・人間)に対する能動的態度が肝要であることをまず教えていただきました。
『習慣形成理論から考える言語の習得』
⾔語習得には、U 字型の発達曲線があり、模倣・反復を繰り返す限定的⾔語使⽤期と、創造的・探究的⾔語使⽤期、および、柔軟な⾔語使⽤期があることをうかがいました。
限定的言語使用期における教師主導型は、授業マネジメントが容易であり、⼤⼈数授業に対応することも可能で、児童・⽣徒が容易に授業についていける反面、主体的な関わりや選択を伴わない面があること、また、指導において、間違い訂正を加えすぎると、発話や学習意欲の低下につながること、それから、機械的なドリル練習は、教育効果やモチベーションの低下させるとのお話がありました。また、正確さと流暢さの強調は、教師・児童⽣徒双方に、ストレスと不満を募らせることとなり、学習の停滞と⾏き詰まりを招くとのご指摘もありました。
『英語はstressにより意味を伝える言語』
音声から英語をとらえると、英語は、Stress(強勢)によってリズムが作られる⾔語であり、強いアクセントの⾳節間の間隔がほぼ等しく発⾳され、メッセージを伝えるしくみになっていて、pitch(⾼低)が intonation(抑揚)を作り、感情(emotion)や気持ちを伝える。これに対し、⽇本語は、Syllable(⾳節)が等しい感覚で発⾳されリズムが作られる⾔語であり、⾳節拍リズム・等時⾳節リズムであることを、具体例(リズム「Tom likes trains」と「古今和歌集の一首」・イントネーション「GoodとExcuse me」など)を交えながら、実際に声に出して実感することで理解が深まりました。
講座を企画した追手門学院小学校国際教育センターでは、松宮先生による講座を今後2回予定しています。
第2回目:10月6日(金)『認知学習理論(⽣得主義・インプット仮説等)に基づく⽂字・リーディング指導』
第3回目:令和6年2 ⽉ 16 ⽇(⾦)『インタラクション仮説(相互交流主義・アウトプット仮説等)に基づくコミュニケーション活動の指導』
時期が近づいてきましたら、またイベントポータルにて告知をさせていただきたいと考えています。よろしくお願いします。
投稿: 桂 伸男