「読み手が期待する詩」
まど・みちおさんの最後の詩集の編集者
参加者6名と少人数であったが、まど・みちおさんの最後の詩集『逃げの一手』の編集を、まどさんから直接依頼された水内さんでないと、お聞き出来ないお話をお聞きすることができた。
講師の水内さんは、コロナの3年間、事務所と自宅との往復以外一歩も外には出掛けなかったという。その間、戦争中に戦争に協力するような詩を書いてきた多くの詩人の作品を集めていたそうだ。
まどさんの『逃げの一手』のタイトルは、その間の事情を物語っている。
講演タイトルの「読み手が期待する詩」とは、書き手が自己満足するような詩ばかりが出回る今日の自費出版事情を痛烈に批判している。詩集に定価をつけるなら、「買い手」である「読み手」が期待する詩をこそ「書き手」は書かなければならないと。
少人数の会となったが熱い空気が会場を覆っていた。
投稿: 佐々木 豊