そもそも「学校の働き方改革」って?

「学校の働き方改革」が学校業界では”旬な話題”となっていますが、中教審の答申もそうですが、内容はほとんど「教員の働き方改革」に終始しています。
では、教員の働き方改革に特化して、「教員の働き方改革」を成し遂げることができるでしょうか、というのがぼくの単純な疑問です。
教員の働き方改革というのは、単純に「仕事を少なくすればいい」とか、「勤務終了時刻となったら取るものも取りあえず帰ればいい」ということではないよね。というのがぼくの考えでしたので、実際どんなことが行われているかを知るために参加してきました。

三人の講師の先生方のお話しは「なるほど」と理解できるものばかりでした。

ぼくは事務職員でした(既に定年退職し8年目ですが)ので、現職の頃、事務職員の立場でこうすると効率よく、能率的に仕事ができる、ということを学校内で事務職員会で提案してきました。
色々話をするなかで最大のネックは、「そんな面倒なことなど・・」という事務職員と、学校の中では「最後の決裁(校長ですね)」が「ダメだし」をすることでした。

参加者がグループごとで話し合う時間があり、その中でいくつか考えさせられました。
・二人先生がいましたので、今日の提案のような「学校を変える」ということを提案されたらどうか、と、話をしましたら、お二人とも「話しましたが、校長のところでとまるのですよ・・・」ということでした。
確かに実践をお話しされたのは「校長先生」であり「教頭先生」であり「教務主任の先生」でしたので、学校のなかでもほぼ決めることのできる立場の先生方ですので、「それはだめだ」という意見はあまりないと思われますが、では同じことを「教諭」が提案して実現できるでしょうか、実態として実現はなかなか難しいかな、と、思いました。
どうやって、校長を巻き込むか、それが頭の痛いところだと思います。

・ぼくが「元事務職員」であったということから、一人の先生が、事務さんって大変ですよね、いつも「縁の下の力持ち」で、って言われたので。
そうか、この先生は事務職員は「縁の下の力持ち」って思ってるんだ、じゃ、「縁の上にいるのは誰」、って思いました。「自分(教員)」って思っているのだと思います。

学校の縁の下の力持ちは「校長を含む全ての教職員」でなければならないと思います、縁の上は「子ども達」でなければなりません。

この先生は知らず知らずのうちに、教員と事務職員を区別しています、が、多くの先生はそういう区別をしているのでしょう、それでは全職員が一丸となって「働き方改革を実現しよう」という流れを作ることは難しいこととなります。

「働き方改革」は「その職の本来担当すべき職務がなんであるかを明らかにすること」であると思っています。

・教員の本来担当すべき職務は何か
・事務職員の本来担当すべき職務は何か
・栄養職員の本来担当すべき職務
・学校業務士(地域によって名称が異なります)の本来担当すべき職務は何か
・その他の職員の本来担当すべき職務は何か

現状担当している仕事から一つずつ一つずつ明らかにすべきである
ことが必要だと思っています。

投稿: 坂見 省二