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集団づくりの中で一人ひとりの子どもたちを育てる育てなおす②

開催日時 10:00
会費10,000円(税込)円
場所 神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1 ウィリング横浜
主催神奈川LD協会

神奈川LD協会 夏のセミナー2014
メインテーマ
上を向いて笑おう 顔を上げて学ぼう
-発達障害のある子どもたちと特別支援教育・保育-
ごあいさつ
LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害[高機能自閉症・アスペルガー症候群])などの発達障害をはじめ、さまざまな課題をかかえる子どもたちの理解と支援について学びます。
この夏は、「上を向いて笑おう 顔を上げて学ぼう」をテーマに、発達障害のある子どものこころへの丁寧なかかわりと、子どもの学びを面白まじめに支えることについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。そして、秋からの新学期に向けて、ワクワク・ドキドキするはじめの一歩になることを願っています。
神奈川LD協会の研修会は、今までも、そしてこれからも、“楽しくなければ、学べない。楽しくなければ、育たない。”にこだわった、じっくりと学ぶ研修プログラムです。この夏も、北は北海道、南は小笠原・九州・沖縄など国内はもとより、海外の日本人学校や現地補習校など多くの皆さまのご参加を心よりお待ちしています。
7月27日(日) セミナーコード104 / 研修室121-123(12階)  ★アンコールセミナー
【午前の部】集団づくりの中で一人ひとりの子どもたちを育てる・育てなおす(2)
-『少年院』での実践から学ぶ-
10:00-11:15 ワーク3 社会適応に向けた指導・教育・訓練の展開発達の視点を取り入れた処遇の在り方
11:30-12:45 講 義3 育てる・育てなおす『集団』づくり
Invited Speakers 細井保宏先生(津少年鑑別所 所長)
井上  慎先生(加古川学園 専門員)
溝口慎二先生(京都医療少年院 専門官)
三人の先生方からのメッセージ
 私たちは、本年1月の冬のセミナーにおいて、実に5年ぶりにセミナーの講師として参加させていただきました。その際には、以前私たちのセミナーに参加されたことのある方、関係している子どものケースについて相談に来られたことのある方など、思いがけず、実に懐かしい再会がありました。また、私たち自身も、冬のセミナーでお話しした際、むしろ新たに気づかされたり、発見があったりするなど、冬のセミナーに参加された方々には、非常に有意義で貴重な機会を与えていただけたと感謝いたしております。本当にありがとうございました。
 さて、今回のセミナーでは、冬で実施したセミナーに引き続き、非行や行動面で問題のある子どもたちについての理解の仕方とこれに基づく指導、教育、訓練等について実践的なワーク等を行いながらお話ししたいと思います。特に、子どもたちにとって互いに多大な影響を及ぼし合っている「仲間」や「友だち」など子どもたちの『集団』を念頭に置きながら、お話を進めていきたいと考えています。
 およそ非行や問題行動の背景には、子どもの知能、性格等に代表されるような資質面の問題、子どもを取り巻く家庭、学校、職場、地域社会等の環境面から派生する問題などが挙げられます。ただし、これらは非行や問題行動を生起させる、一種の準備状態と考えることができますが、必ずしもそうした要因だけで非行や行動面の問題が現れてくるわけではありません。その先に、非行や問題行動を実際に起こさせる、何らかの『誤った学習』や、そのような行動を誘発しやすい機会(時)、環境、雰囲気が存在します。そして、その『誤った学習』は、ほとんど場合、反社会的な性質を帯びた「不良(仲間)集団」から受けているのです。
 私たちがかつて勤務していた『少年院』では、以上のようなメカニズムを念頭に置き、指導教官と少年院生との間の信頼感に基づく教育的な雰囲気を帯びた関係作りを構築してきただけでなく、子ども一人ひとりを育て・育てなおすための『規律の守られた、促進的な(向社会的な)雰囲気を帯びた集団』づくりに力を注いできました。そして、その中で、子どものニーズに応じた指導等を行い、幾つかの処遇プログラムを実施したりするなどの工夫を凝らして改善更生を目指した処遇を展開してきました。また、問題性の程度と改善更生の進捗状況に応じて、段階的に『集団』への働きかけの機会と本人が自主的に参加できるチャンスを増やし、教育内容の質の高度化も図ってきました。こうした実務上の我々の取り組みの一端を講義とワークを通して体験的に感じ取っていただければ幸いです。
 なお、当日は、皆さんと一緒に体を動かすワークを行う予定ですので、動きやすい服装(スポーツウェア等)でお越しください。
【午後の部】発達障害がありながら適切な指導を受けられなかった男性のライフコース
-「無差別殺人をすると思う」と語る犯罪歴のある40代男性の事例-
13:45-15:00 講義3 事例-個別の事例を通して、さまざまなケースの実態や問題点などを知る-
15:15-16:30 講義4 この事例が教えてくれること-最新のトピックや学問的知識・指導方法-
Invited Speaker 向井 義先生(薫化舎 代表)
向井先生からのメッセージ
 幼少期から発達障害に気付かれず、これまでに適切な介入や指導がなされなかった結果、多くの暴力事犯や詐欺、恐喝などの犯罪を繰り返し、成人になってから初めて逮捕され有罪判決を受けた40代成人の事例についてご報告します。そして、釈放後も適切な介入や指導がなされなかったために、独特の社会的認知から派生するさまざまな問題(孤独、社会的状況における苦痛、対人的衝突、怒り、生活に対するフラストレーションなど)を処理する力が身につかず、「明日にでも尊属殺人や無差別殺人をすると思う」と語る40代男性のライフコースについて考えていきたいと思います。幼少期からの個人、家族、学校、友人、地域社会などの適応状態や問題を探り、そこからどのような思考や行動パターンが形成されたかについてご紹介します(私が過去にボランティアで関わらせていただいた事例の中から取り上げさせていただきます)。
 プログラムを策定し、犯罪予防と社会適応をターゲットとした介入を行ったため、一応安定されました。しかし、40代という年齢もあり認知の歪みなどが固定化しているためか、十分な効果を得ることが難しく、再犯リスクは高いままで心配です。
 このケースは、成人までの間に本人のニーズに合った指導や介入がなされていたら、犯罪経歴を積み重ねることもなかったのではないかと考えられます。このような事例報告を通して、学校や療育機関などの成人期までに皆さんが行っている指導がいかに大切で重要であるのか、先送り指導の問題等について理解していただき、最新のトピック、学問的知識や指導方法等にの講義を行う予定です。
★アンコールセミナー: 過去のセミナーの中でもう一度聞きたいというリクエストの多かったセミナーです。

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