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第9回 拡大教科書の在り方に関する公開シンポジウム タブレットPC時代の弱視教育を支える人的環境づくり -- タブレットPCの学び方・教え方 --

第9回 拡大教科書の在り方に関する公開シンポジウム
タブレットPC時代の弱視教育を支える人的環境づくり
-- タブレットPCの学び方・教え方 --
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/research/largeprint/00_info/20150530.html

 我々は、弱視児童生徒用の拡大教科書に関する取り組みの一貫として、拡大教科書の問題点である可搬性・操作性を向上させることを目的にデジタル教科書に関する取り組みを行ってきました。昨年度に実施した第8回シンポジウムでは、デジタルの教科書をタブレットPCで使いこなしている弱視生徒の事例を8校の研究協力校の先生方にご報告いただきました。これら先進事例の中から見えてきたことが2つあります。
 一つ目は、拡大教科書であろうと、デジタル教科書であろうと、ユーザである弱視児の利便性と同時に、教育活動の中でその役割を位置づけなければならないということです。当たり前のことですが、教科書は学校での教育活動を支える一つのツールであり、他の教材や活動とセットになって初めて意味を持つわけです。そこで、我々は、教員の自作教材をデジタル教科書と同じ使い勝手で利用できるようにアプリを改良し、無償で公開することにしました。本シンポジウムでは、この新しい教科書・教材閲覧アプリの活用方法や教材作成方法についてデモします。
 二つ目は、タブレットPCを活用した先進的な実践を支えているのは、弱視児の周囲にいる教員や家族やボランティア等の「人」であることです。そこで、本シンポジウムでは、人的環境づくりをテーマにすることにしました。言うまでもありませんが、タブレットPCは弱視教育において単眼鏡や拡大教科書等と同じように有用なツールです。そのツールのことを知らなかったり、自分に苦手意識があるからという理由で紹介しないことは問題です。逆に、電子機器が得意だからという理由で、タブレットPCを過信することも問題です。弱視児にとって、良き指導者・支援者になるためには、タブレットPCや教科書デジタルデータ等を使いこなす技術と知識を持ち、その利点・欠点を熟知し、上手に紹介できる「人」になる必要があります。本シンポジウムでは、弱視教育におけるタブレットPC活用の先導者であり、全国各地で研修・相談活動を展開しておられる広島大学の氏間和仁先生をお招きし、タブレットPCを適切に活用するための研修の在り方について基調講演をしていただきます。
 なお、本シンポジウムでは、これまで私達が取り組んできた「アクセシブルPDFを用いたデジタル教科書」、「PDFとHTMLを組み合わせたハイブリッド型教科書・教材閲覧UDアプリ」の公開版もご体験いただけるように、約50台のiPadを用意いたしました。ぜひ、多くの方にご参加いただきたいと思います。

日時:2015年5月30日(土) 10時55分〜13時00分
場所:慶應義塾大学日吉キャンパス第8校舎1階812教室

<プログラム>
開場(10時30分)
開会挨拶(10時55分~11時00分)
第1部 ハイブリッド型教科書・教材閲覧アプリ「UDブラウザ」公開版説明会(11時00分~11時30分)
・公開版UDブラウザの説明と体験(11時00分~11時20分)
 中野 泰志(慶應義塾大学)
・UDブラウザ用の自作教材の作成・活用方法(11時20分~11時30分)
 上野 敬太(長野県松本盲学校)
休憩(11時30分~11時45分)
第2部 タブレットPC時代の弱視教育を支える人的環境づくり
・基調講演「タブレットPCの活用に向けて」(11時45分~12時45分)
 氏間 和仁(広島大学)
質疑応答(12時45分~12時55分)
閉会挨拶(12時55分~13時00分)

<参加申込>
・定員は100名です。入場は無料です。
・参加を希望される方は、「慶應義塾大学・中野泰志研究室」宛に、「第9回拡大教科書シンポ参加希望」とお書きの上、メール(info@nakanoy.econ.keio.ac.jp)もしくはファックス(045-566-1374)でお申し込みください。なお、定員に達した場合には、お断りさせていただく場合がありますので、ご了承ください。
・日吉駅からの誘導が必要な方は、参加申込の際にお問い合わせください。

<その他>
・お車でのご来場はできません(車いすユーザで、お車でのご来場が必要な場合には、ご連絡ください)。
・シンポジウムを開催する建物は古いため、多機能トイレがありません。多機能トイレをご利用の場合には、「来往舎」(http://www.hc.keio.ac.jp/ja/hiyoshi_campus/guide/index.html)をご利用くださるようお願いいたします。
・本シンポジウムは、文部科学省初等中等教育局教科書課委託研究事業「特別支援学校(視覚障害等)高等部における教科書デジタルデータ活用に関する調査研究」、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課委託開発事業「学習上の支援機器等教材開発支援事業」、文部科学省科学研究費基盤研究(B)「視覚障害者の高等教育における合理的配慮のための教科書デジタルデータ活用システム」(課題番号25285261)より研究費の補助を受けて実施いたします。また、慶應義塾大学日吉心理学教室の協力を得て実施します。
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