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東京加害者臨床研究会:第26回例会*

東京加害者臨床研究会:第26回例会*

 DV防止法の施行以後、精神科クリニックや相談室に来所するDV加害者が増えており、加害者の心理療法の方法論に関する研修の必要性が高まっています。しかし、加害者は言い訳や自分の考えの正当化などのため変化しにくく、臨床家にとって独特な困難を感じさせます。
この研修会では、DV克服の意思のある男性の変化を、丁寧に、そして徹底して促進するための有効なアプローチを提供してきました。関心のある方のご参加をお待ちしております。

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【今回の内容:加害者クライエントが仕掛けたパラドックスへの返し技】

DV加害者に対応していると、こちらが答えにくい質問を向けられたり、不自由さを感じさせることをしばしば経験します。例えば「カウンセリングを受けたら妻は戻ってきますか?」という質問が典型です。 これは、加害者から仕掛けられたバラドックスであり、援助的関係を破壊する意図が隠されています。この種の局面では、彼らの仕掛けを見抜き、それを上回る方針とスキルをもって対する必要があります。 そのような《返し技》を仕掛けるコツと面接スキル(いわば加害者のパラドックスを解くワザ)を、デモンストレーションを交えて紹介します。
///加害者はズルい、ご用心///
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●このアプローチは被害者支援との整合性を大切にしており、被害者の面接にも大いに役立ちます.
●こだわりの強い加害者クライエントを揺さぶり、臨床家のペースに持っていく面接スキルがあります.
●本研究会で学ぶスキルの多くはbrief therapyの応用で、他の困難ケースの面接に広く活用できます.


■関連論文:草柳和之「DV加害者更生プログラム-体系化された加害者の心理療法序論」『こころの科学No.172/2013.11』(日本評論社)

〔日 時〕11月14日(日)14:00~17:00〈次回:2022年2月〉
〔参加費〕継続参加予約3,000円(当日=3,500円)、初回参加・予約2,000円(当日=2,500円)
〔講 師〕草柳和之(大東文化大学非常勤講師/他) ✿平成27年度・社会貢献者表彰を受賞✿

                           
【予約申込:東京加害者臨床研究会事務局】
メンタルサービスセンター内 〒176-8799 練馬郵便局留
Tel.03-3993-6147/070-5016-1871
 http://www5e.biglobe.ne.jp/~m-s-c/
※電話連絡の後に、参加費の振込みをお願いします。
※主催者都合の不催行を除き、納入額の払い戻しは致しません.
■振込先 [みずほ銀行 桜台支店 (普)1438903 名義:メンタルサービスセンター 草柳和之]


【講師紹介】●草柳 和之 ==================
▲大東文化大学非常勤講師.メンタルサービスセンター代表・カウンセラー.長年,DV被害者支援に携わると同時に,日本で初めてDV加害者更生プログラムの実践と研究に着手,その活動は新聞・TV・雑誌等を通じて広く紹介される.日本カウンセリング学会東京支部会・運営委員.
▲著書に『ドメスティック・バイオレンス』(岩波書店), 共著『標準 音楽療法入門 下』(春秋社),他多数.
家庭裁判所・国の研究機関・自治体・弁護士会・大学・学会等から,幅広く講演や研修会の依頼を受けており, その優れた研修指導は多くの人々から支持されている.長年のDV問題の先駆的取り組みが評価され、社会貢献支援財団より、平成27年度社会貢献者表彰を受賞した。
▲講演の際にピアノを演奏し、作詞もする、異色の心理臨床家でもある.世界的に活躍する作曲家・野村誠氏にDV根絶を願うピアノ曲を作曲依頼し、音楽によるDV防止キャンペーンを展開している。平和のための音楽会・ライブハウスのランチタイムコンサート・学会のミニコンサート・自治体の協働イベント・DV問題のシンポジウムなど、幅広い機会でピアノ演奏を行い,《社会の平和は家庭から》を訴えてきた.
資格:日本カウンセリング学会・認定カウンセリング心理士.NLPマスター・プラクティショナー.
ブレインスポッティング~~脳内のトラウマ体験記憶の処理を促進する特殊療法で、パニック発作・恐怖症・PTSDなど幅広く効果がある、全く新しいタイプの心理療法~~phase①②修了者.
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【草栁和之の著書、最新刊、2020.9.30に刊行!】
■角南なおみ編 『やさしく学ぶ教職課程 教育相談』(学文社) 2300円+税
→→草柳は、第11章「いじめ問題の対応を適正化するために」を執筆。
この章の中で、
「いじめ被害者対応の目標を『いじめをなくすこと』と考えていた従来の発想は、根本的に間違っている。『被害者が学校で快適に過ごせる』ことを目的とすべきである。」
と、被害者ファーストの方針を説いています。これほと大胆に従来の発想の不備を明確化し、対案が示されたことはなかったと思われます。
そして、『被害者が学校で快適に過ごせる』ことを目標に、教師が被害者・加害者双方に対応するガイドライン・面接スキルが詳述されています。そこには、被害者ファーストに徹することが、加害者を真の意味で大切にすることにつながり、望ましい行動様式を促進できる、という逆説が存在します。
加えて二次加害の防止のための論点を展開しており、第11章だけでも、関係者必読の内容となっています。

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