終了

しんりがく研究会「調査における "不適切回答" を見つめ直す」#荒川出版会260216

開催日時 19:00 21:00
定員100名
会費1500円
場所 オンライン 
しんりがく研究会「調査における "不適切回答" を見つめ直す」#荒川出版会260216

詳細・お申込:https://ap260216.peatix.com/

〈2026年 第2回 しんりがく研究会〉

このたび、オンライン調査における回答行動に関するオンライン研究会を企画しました。

心理学や社会学などの学術だけでなく、マーケティングなどの実務でもよく使われる研究手法の一つにオンライン調査があります。オンライン調査において回答者の”適当な回答”(いわゆるSatisficing)は、”正しい回答”を得られないことから、いかに”適当な回答”を検出・除外するかが問題となります。

このような問題設定のもと、回答者の”適当な回答”は”不適切回答”として扱われていますが、はたしてその扱い方は妥当なのでしょうか? 本当に回答者の回答行動が”悪い”のでしょうか? 問われるべきは、そのような回答行動を引き出してしまう調査デザインの方ではないでしょうか? ”適当な回答”を回答者の問題にせず、調査者自身の問題として考える余地はまだまだあるように思います。

そのような中、2025年に「調査におけるトラップ質問設置の理論的・実質的課題の検討――Satisficing理論の概念的整理を踏まえた実証分析――」と題した発表が第53回日本行動計量学会大会にて行われました。

回答者の回答行動について学び深めるために、本研究会では上記の発表者である森坂さんをお呼びして、その発表を詳しくおうかがいします。オンライン調査と正しく付き合うために、私たちはどうすればよいのか、みんなで考える時間を作りたいと思います。

【発表タイトル】

データの質向上のために”不適切回答”を除外していいの?――Satisficing理論の概念的整理を踏まえたトラップ質問設置の問題――

【発表者】

森坂太一(もりさか・たいち)
1998年生まれ、群馬県出身。東北大学大学院文学研究科博士後期課程/日本学術振興会特別研究員(DC1)。修士(文学)。専門は教育社会学、社会学、社会調査法。主な論文に「財政制約下における教育への公的支出の優先順位と負担方法の世論に関する研究――仮想的な政策パッケージを用いたコンジョイント実験による分析――」(単著、『教育社会学研究』116、141-161、2025年)、「日本社会における教育の公的支出への世論の推移に関する研究 ――少子高齢化との関連を考慮した分析―― 」(単著、『社会学年報』54、ページ未定、2025年)がある。

※ 司会は仲嶺真(荒川出版会)が務めます。

【日時と場所】

2026年2月16日(月)19時〜21時
オンライン(Zoom)

【発表概要】

本発表の目的は、データの質向上のためのトラップ質問設置の問題を、理論的・実証的な観点から論じることです。近年一般的になっているオンライン調査ではデータの質が問題となっています。というのも、オンライン調査ではSatisficingと呼ばれる、回答者が十分な注意を払わないで回答を行うという方略を採用しやすいからです。日本の研究ではこれを「不適切回答」として検出・除外することが推奨され、この文脈で、トラップ質問という一見質問に見せかけた、注意力を試すような質問が置かれることがあります。しかし、海外ではトラップ質問の設置が「回答の質を試している」という回答者への介入として機能し、得られる結果が変わりうることが指摘されています。その背景には「質問調査は調査者と回答者の間に生じる相互作用であり、回答者は質問の背後にある調査者の意図を探る」という想定があるからなのですが、日本ではこうした問題が十分知られていないように見えます。そして、ここには単純に実証的問題が知られていないというだけではなく、「Satisficing=不適切回答」というように、元々の理論枠組みとは異なって浸透していることも関係していると考えます。そこで本発表では、Satisficing理論を詳細に紐解き、元々の枠組みはどのようなものなのか、そして元々の枠組みから見るとトラップ質問がなぜ問題になるのか、ということを論じます。さらに、この点を検証するために実施した独自の実験結果も示すことで、議論の深化を行います。発表の最後には、現在の日本ではあまり定着していない、データの質向上のための「調査デザインの工夫」という方向性も示したいと思います。

イベントを探す

実験のセミナー・研究会・勉強会を別の地域から探す

SENSEI ノート