千葉文芸研 9月国語の教室 「スイミー」

 今回、国語の教室では初めてのオンライン会議となりました。
 先生ポータルから、初参加の方2名、合計8名で学習会を行いました。

 学校図書、光村図書では2年生教材であるこの教材は、教育出版では1年生となっています。1年生には1年生なりの《認識の内容》で、学ばせることのできる教材です。
 絵の扱いや接続詞がないことなど、絵本との違いにも着目しながら、参加者みんなで教材分析しながら進んでいきました。

スイミーを英雄としない

 話題になったのは、スイミーを英雄として扱わないことの大切さでした。スイミーを英雄としてとらえてしまうと、『スイミー』優れたものが生き残る世界になってしまい、自分たちの生活と物語世界が乖離してしまうということです。
 スイミーは、「ぼくが目になろう。」という言葉の通り、リーダーとして描かれています。マグロに襲われる経験、孤独な世界をくぐって、素晴らしいものに出会った経験があるからこそ、さかなのきょうだいたちのリーダーとしてふさわしいのです。
個別・特殊の話にせず、自分たちの世界につなげる読み方を子どもたちにさせたいと思いました。

平和教育の第一歩

 一場面のスイミーたちは、楽しく暮らしていました。平和な世界です。しかし、それが次の場面で一変します。マグロが〈ミサイルみたいに つっこんできた〉のです。そして、五場面で、また平和な世界が戻ってきます。
 では、一場面と五場面は、同じ「平和な世界」でしょうか。答えはノーです。
 一場面は、楽しく平和な世界。しかし、その裏には、いつ襲われ、殺されるか分からない脆い平和な世界です。
 五場面は、協力して、〈大きな魚をおい出〉すことのできる世界。真の平和な世界です。
 平和は、自分たちで作り上げていくことが大切である。そのことがスイミーを読んで学ばせたいことです。「深い」教材であることが、今回の学習でよくわかりました。

 教材分析をみなさんとしながら、「授業ではどう扱うか」ということを質問することもでき、有意義な学習となりました。早くスイミーの学習を子どもたちと一緒にしたいという気持ちが大きくなりました。

投稿: 秋山 亮介