ドイツの「記憶の文化」を考える

2020年8月9日(日)読書会『忘却に抵抗するドイツ』開催報告

ドイツでナチ時代の歴史はどのように語られ、人びとは向き合ってきたのか。これは、日本で高い関心を集めてきました。『忘却に抵抗するドイツ』の著者・岡裕人さんによると、その道のりは決して平たんではありませんでした。そして時代の変化とともに現れる新しい課題に直面しながら、ドイツの試行錯誤は今も続いています。

在独30年の歴史研究者であり教育者である岡さんをお迎えして、大学生パネリストの皆さんと一緒に、ドイツの「記憶の文化」をめぐって、有志の大学生4人とオンラインで対話しました。

75名の参加者のうち、過半数が10~20代でした。多くの方々から寄せられた感想を下記にご紹介します。

参加者の皆さんの感想より

  • 学生さんたちが話す言葉一つ一つが自らの体験と結びついていて面白かったです。

  • 濃密な2時間でした。大学生の真摯な態度、高い問題意識に打たれ、一気に熱を帯びた企画になったと思います。オンラインだと70名という大勢の参加が可能になるので、戦後75年という節目の年への関心の高さも感じました。

  • 普段、教員の集まりはあっても、広く若い世代の声を聞く機会が少ないので、今日は本当に良い時間を共有できました。ありがとうございました。

  • この本を読むまではドイツの中だけの話だと思っていましたが、読了後は日本の外国人問題や広島・長崎の原爆や福島の原発危機の継承にもつながる内容でした。自分に無関係な話だとは思えず、読書会でも自分ごととして伺うことができました。 ドイツとポーランドという当時は全く正反対のイデオロギーで、歴史事実の解釈の異なる国で教科書対話が実現したというのは人類の希望になる内容でした。人は反対意見を無視したり、感情的に責めることがありますが、ドイツはそれを乗り越えてきたのだと感慨深かったです。反対意見があったときに上記のようにならないためには、まず日常的に議論をすること、議論をする場が開放的であることの重要性を確認しました。

  • 学生の皆さんそれぞれの視点から話を発展させていく形式が興味深かったです。文化的記憶に関して興味を持っていたのですが、ホロコーストの記憶の想起と忘却についてさらに知りたくなりました。また本日は8/9ということもあり、日本では共感によって受け継がれる傾向にある戦争の記憶を今後どう扱っていくべきなのかを考えさせられました。

  • 4人の学生の意見が素晴らしかったです。それぞれが問題意識を持ち、将来教師や研究者として、ドイツの歴史教育から学ぶという姿勢で深く考えられていますね。こういう若者がいることが希望です。岡さんの話は今後もじっくりお聞きしたいものです。またこういう企画を行ってくださるようお願いします。

  • ホロコーストを自分事として捉えることが大事で、考えた事を発信する。対話が大事。当たり前の事を疑う。自分の考えを持つ。という事を行っていかなくてはという言葉に共鳴しました。岡さんが最後におっしゃったホロコーストはいつ始まったかとの答えで、誰かを差別する時から始まったという言葉がいまにも繋がると、重い言葉と感じました。ありがとうございました。

  • 今回の読書会を通して、同年代の大学生の方々が記憶の文化に対してどのような考え方を持っているのか知ることができて良かった。また、自分も実際にアウシュビッツを訪れたことがあるが、施設内に掲示されていた”Those who do not remember the past are condemned to repeat it.” という言葉が印象に残っている。そして、過去を学ぶためにはやはり「教育」というものがとても大切であると感じた。戦争は怖い、いけない、平和な世界にする、ということで終わらせるのではなく、もっと踏み込み、今を生きる自分達と重ね合わせ、議論し続けていくことが重要なのだと思った。

  • 学生の皆さんのそれぞれの関心に即した課題設定も、とても勉強になるもので、それに対する岡さん、石岡さんのご意見や参加者の方のメッセージも大変参考になりました。皆さんのやり取りから、深めていきたいと思えたことがたくさんありました。私自身、来年から高校の社会科教員になる予定で、歴史教育について考えていることがあったので、同じ世代の同じ課題意識を持った学生がこんなにいるんだということも知ることが出来て、勇気づけられました。まだまだ勉強不足でありますが、これからも学ばせていただきたいです。貴重な機会をありがとうございました

  • ありがとうございました。トークセッションをうかがう形で大変興味深くお話を聞くことができました。これから先生を目指す若い方々のお話とても心強く思いました。

投稿: 石岡 史子