全国大会 お試し版 参加記

0.はじめに

 5月15日にメールでグーグルドライブのURLが送られ、要項をダウンロード出来る様にしました。おもちゃ箱のためには、材料や道具を準備しなければならないからです。そして、5月20日にメールでグーグルドライブのURLが送られ、当日の資料をダウンロード出来るようにしました。しかし、送られてきたメールのリンクを開をクリックして目的の画面が表れますが、何もインプットできず、「ログアウトされました。再度ログインしてください」が出手来て、再度ログインをクリックすると、「Cookieの設定に問題があります」が表示されるというような状況になった方がいました。グーグルで調べても、「IEを最新の物にして下さい」とか書いてあって、Cookieの設定をどうすればいいのかが分かりませんでした。でも、google chromeを開き、そこにURLをコピーして開いて、ダウンロード出来ていました。また、グーグルのアカウントを取得して解消した方もいました。

 今回のポスター展では、A4版2枚という条件がありましたが、それ以外の物を送りたい場合があるでしょう。そんなとき、Zoomのチャット機能を用いて、ファイルを送ることが出来ます。
①カーソルを画面の下の方に移動すると、Zoomのメニューが出てきます。その中の<チャット>を左クリックすると、右側に白いチャットの画面が現れます。
②その右下の<ファイル>を左クリックして出てくる<コンピュータ>を左クリックすると、自分のパソコンの中のどのファイルを送るかを選択する画面が左上に出てくるので、選択して、<開く>を左クリックする。
 これで、そのブレイクアウトルームに参加している全員にファイルが送れます。何もしなければ、この設定ですが、特定の方に送る場合は、
③<ファイル>の右側に、<送信先 全員>の右の<∨>を左クリックすると、参加者の名前が出てくるので、送る相手の名前を左クリックしてから、<ファイル>の操作をする。
 これで、その方だけにファイルを送ることが出来ます。ファイルを受け取った方は、
④<チャット>を左クリックして、上の方にファイルの図が出てくるので、それを左クリックすると、ダウンロード出来ますが、左上に保存する画面が出てきて、何処に保存するかを選択して、<保存>を左クリックする。これで、送ってきたファイルが自分のパソコンに残ります。この操作をしないと、ファイルを受け取れません。
 チャットの画面を消すには、
⑤上の方に『チャット』と表示されている部分の左側の<∨>を左クリックして出てくる<×閉じる>を左クリックする。
 これで、白い部分がなくなります。
 大会で、追加資料が出たり、資料の訂正がある場合などに便利だと思います。

 ブレイクアウトルームのことにも触れておきます。同時並行で催し物を行っているので、自分でどれに参加するのかを決めて、そのブレイクアウトルームに入るのですが、その方法を説明します。
⑥Zoomのメニューの<ブレイクアウトルーム>を左クリックすると、画面にブレイクアウトルームの一覧が出てきます。沢山種類がある場合は、右側の縦の棒を上下に動かして、中身を見ます。
⑦入りたいブレイクアウトルームが見つかったら、その右側にある<参加>を左クリックします。そして出てくる確認のための<はい>も左クリックする。

これで移動できます。他のブレイクアウトルームに移動するときも、同じ方法で操作します。
 ブレイクアウトルームからメインセッションに戻る場合は、
⑧右下の<ルームを退出>を左クリックして、出てくる<ブレイクアウトルームの退出>を左クリックします。

 参加しているときに、発表者がWebカメラなどで教具などを見せているとき、画面が小さいと思うことがありませんか。Zoomの画面には、ギャラリービューとスピーカビューの2種類があります。これは、画面の右上の方にカーソルを動かすと<表示>が出てきて、これを左クリックすると、ギャラリービュー(参加者の画像見える)とスピーカビュー(話している方が大きく映る)切り替えが出来ます。チェックが入っているのが今の状態で、他方を左クリックすると切り替わります。スピーカービューでは、話している方が大きくなるのですが、誰かの音を拾ってしまうと画面が切り替わってしまいます。そこで、この画面に固定したいときに、『ピン』という操作をします。
 例えば、ギャラリービューで見ているときに、発表者の教具をWebカメラなどで紹介しているときに、その画面が小さいので、
⑨その部分にカーソルを移動して右クリックをして出てくる<ピン>を左クリックする。
これだけで、スピーカービューに切り替わって、かつ、固定されます。さらに、他の画面を<ピン>すると、2つの画面が横に並んで大きくなります。そうならなくするためには、
⑩画面の左上に出ている<ピンの削除>を左クリックする。
という操作が必要です。

 また、<表示>を左クリックしたときに、<全画面表示の終了>または<全画面表示の開始>というのがでてきます。<全画面表示の開始>が出ている場合は、画面の上に白い帯があって、左側に『Zoomミーティング』という表示があり、カーソルを下の方に移動すると、Zoomのメニューが出てきますが、また、パソコン自身のタスクバーも表示されます。タスクバーで、立ち上がっているソフトの確認が出来ます。<全画面表示の終了>が出ている場合は、全画面表示になっています。だから、上の白い帯もないし、タスクバーも出てくることはありません。必要に応じて切り替えましょう。

 以上、Windows版PCでの書き方です。MacPCの場合は「左クリック」というところを単に「クリック」と読み替えて下さい。また、Zoomのバージョンによっては、若干の違いがあると思います。出来れば、Zoomのサインインして、最新のバージョンで使うようにしましょう。また、PCではなく、タブレットやスマホでZoomに入っている方には、画面構成も違いますし、使える機能も異なるようです。例えば、タブレットではファイルの送受信は出来ないようです。ただ、見て聞いているだけなら構いませんが、PCをお持ちなら、PCでZoomに入ることをお勧めします。パソコンにカメラが付いていないからという理由なら、Webカメラを購入して、USBに繋げればいいんです。パソコンショップに行けば3000円程度で購入できると思います。また、AmznnなどでWebカメラで検索すると沢山出てきます。高価な物からお安いものまであります。僕は500円や999円や1480円のカメラを購入しました。それらはカメラの画角が異なり、映す物によって使い分けています。普通のノートパソコンに着いているカメラは画角が100°~120°くらいのようです。画角が大きいと平行な線が平行には映りません。

1.ポスター展

   <前半:10:20~10:35>  <後半:10:35~10:50>

101 あみだくじの名前付替え(黒田俊郎)/M1グランプリをデータ分析(園田毅)

102 アクティブラーニングの実践(小森弘三)/ 相似比で示すピタゴラスの定理(広田祥治)

103 日時計の数理(伊藤潤一)/量分数の話(加藤久和)

104 直線の式を作ろう(草彅浩二)/ 確率論が産声を挙げた頃(近藤年示)

105 因数分解の感覚を育てる「かけざん・たしざんゲーム」(名雪順一)/ 4色問題(足立久美子) │



 要項に記載されているポスターは上記の通りです。前半と後半と同じブレイクアウトルームでなくても構わなくって、自由に移動できます。僕は104に居ました。

 「直線の式を作ろう」は、直線の式を作るとき、与えられた条件(傾きとy切片、傾きと通過する1点、通過する2点、x切片とy切片)で、式を求めます。でも、与えられた条件というのではなく、実験や観察をしてデータを採って、それを座標にプロットしてみると、直線上に並んでいる。だから、その式を求めようということを行えば、学習している意味があるのではないでしょうか。中学なら、鉛直に吊したバネに付けた錘の重さとバネの長さ、燃えている線香の時間と長さの関係など教科書には載っていたりしますが、実際に実験することが必要ではないでしょうか。また、最近では片対数グラフ用紙や両対数グラフ用紙を見かけることはないですが、表計算ソフトがあれば、データの対数の値をだして、散布図を作ればいいのです。線形近似グラフを描いたり、その式を求めることが出来ます。片対数グラフで直線になるということは、傾きをmとすると、底が10mの指数関数になることが分かっています。また、両対数グラフが直線になるということは、傾きをmとすると、m乗に冪関数になることが分かっています。そんな例を見せました。
 また、太陽光発電量は日射量と線形の関係になるが、日照時間とは直接関係ないが、30年間の平均の月毎の日射量と日照時間から、1日照時間あたりの日射量を考えると、12月~1月が谷で6月頃が山のサインカーブのような曲線を描いていました。そこで、2月からの観察をしたので、日照時間と発電量の関係をグラフにし、近似直線を描いたら、その傾きがだんだん大きくなる大きくなるのか、と思ったら、そんなことはありませんでした。今後、もう少し考えていきたいと思います。
 そして、Exvelファイルをチャットで送りました。

 次の「確率論が産声を挙げた頃」は、17世紀頃のパスカルとフェルマーの往復書簡から確率論が始まったと言われているが、その辺のことを調べた。パスカルは友人から「先に3勝した方が掛け金の全部を受け取れる試合で、1勝0負で勝負を中断しなければいけなくなったとき、掛け金をどう分配すれば公平か?」と聞かれた。それで、フェルマーと書簡を交わして、解決をしていきました。
 パスカルは、まず2勝1負で中断する場合を考えて、勝てば3勝だから全部、負ければ2勝2負だから半々、平均すると3/4貰える。次に2勝0負の場合は、勝てば3勝だから全部、負ければ2勝1負だから3/4、平均すると7/8貰える。そして、1勝0負の場合は、勝てば2勝0負だから7/8、負ければ1勝1だから半々、平均すると11/16貰える。と考えました。
 フェルマーは、別の方法で考えた。1勝0負の場合だから、最大4回勝負すれば決着が付くので、その勝ち負けのパターンを調べると16パターンあり、1勝0負の方が貰える場合は11パターンで、0勝1負の方が貰えるのは5パターンだから11/16貰えばいい。
 フェルマーからこの解法を聞いたパスカルは納得をして、自分の解法に自信を持って、一般化して、n勝したら勝ちのゲームで、a勝b負のときの分配の公式も導きました。この過程で、現在の組合せの公式も見つけ出しました。

 同じ頃、ホイヘンスも14個の定理と5個の問題を含んだ確率の論文を出しています。こんな内容です。
①パスカルと同じような分配問題で、2人、3人の場合。 ②1このサイコロを何回振れば1回は6の目が出る方に掛けた方が有利か。 ③2個のサイコロを何回振れば目の和が12が起こる方に掛けた方が有利か。 ④1回振って6の目が2つ出すには何個のサイコロをふればいいか。 ⑤AとBの2個のサイコロゲームで、和が7ならAの勝ち、10ならBの勝ち、それ以外はアイコとすると、2人の勝つ比率は? ⑥AとBの2個のサイコロゲームで、Aから振って目の和が6ならAの勝ち、7ならBの勝ちというルールで、2人の勝つ比率は? ⑦黒玉8個白玉4個入っている袋から3人が順に1個ずつ取り出して、先に白を取り出した者を勝ちとするルールで、3人の勝つ比率は? ⑧1組52枚のトランプから4枚のカードを引くとき、♥、♦、♣、♠が1枚ずつ出る可能性は? ⑨12点ずつ持ち点を持ってAとBの2人が3個のサイコロゲームをする。目の和が11ならAはBに1点を与え、和が14ならBはAに1点を与え、破産するまで続けるというルールで、2人の勝つ比率は?
 この論文は多くの数学者に影響を与え、さらに、ベルヌーイ、モンモール、ドモアブルらがホイヘンスの問題提起に応え、一般化していきました。
 参考図書は、現代数学社の『確率論史』(安藤洋美)です。この本の中に、死亡率と生命保険のことも詳しく書いてあります。

2.教具展

 <前半:11:10~11:40>  <後半:11:40~12:10>

201 数学アプリの紹介(園田毅)/ カレンダーについて(草彅浩二)

202 曲線を描く(小森弘三)/ マジックボックス(名雪順一)

203 単位一発わかり器(加藤久和)


 要項に記載されている教具展は上記の通りです。前半と後半と同じブレイクアウトルームでなくても構わなくって、自由に移動できます。僕は201に居ました。また、薗田先生が校務の関係で参加出来なくなり、前半も後半も同じ話を行いました。

 「カレンダーについて」では、1年間のカレンダーは1月から12月まで12枚ありますが、曜日の部分を考えると、左上が1日で始まるものを作っておけば、曜日の部分をスライドさせるだけで、何月でも表すことが出来ます。でも、やはり、日曜日が左側になる方がいいとすると、日にちの部分を増やして、曜日は固定して日にちの方をスライドさせてカレンダーにすることが出来ます。これだけだと、何月の分か分からないので、各月に1日が何曜日かを調べて、その曜日の上に月を書いておけば、そこに1日を合せればいいのです。これを何年分も作れば、数年間分のカレンダーになります。もっと沢山の年の分を合せるようにと、1年毎の曜日のズレを考えて作りました。月の部分の1月(▲マーク)を年に合せ、日にちの部分の1日(▲マーク)を月に合せれば、何年何月のカレンダーかが分かります。
 また、1月毎に曜日がどうすれるか、なども考え、閏年はどうして起こるか(1年が365.24・・日だから)なども考え、閏年の判定方法「 西暦年を4で割り切れる年を閏年とし、100で割り切れるが400で割り切れない年は平年とする」を紹介しながらカレンダー作りの説明をしました。そして、自分の希望に合わせたカレンダー作りが出来る様になります。
 このようなカレンダーを「万年カレンダー」といいますが、ネットで検索すると、立方体に数字が書いてあって、それを並べるようなカレンダーや時計や携帯の中にあるレンダーも万年カレンダーとして出てきます。また、エクセルでカレンダーを作成するソフトも出てきました。
 そして、図版として、PDFファイルをチャットで送りました。

3.おもちゃ箱

「簡単一葉双曲面」は、中野先生がここ10年間くらい文化祭で行ってきた元になるものの作り方を紹介しました。これは、小学生が10分や20分で作れるものではない、今回は先生方が作り方を理解して作って、子どもたちに、どうだスゴイだろ、と自慢などして貰うという趣旨で行いました。
 中野先生のWebカメラで完成品や作り方を映すので、『ピン』操作の説明を行ってから始められた。
 材料は、100均で売っている綿棒の空きケースとヘアゴム(なるべく細い方がよくて、4本は入っているうちの2本か3本かを使う)。道具は、穴を空ける目打ちとヘアゴムを通すための毛糸などを編む針(空けた穴に通る太さ)です。
 作業は、まず、綿棒の空きケースの蓋と底に24個の穴を空けます。まずは蓋の方に穴おあけます。穴のあけ方は、最初に1個あけて、中心部分の反対側にもう1個、その間を目分量で等分して2個あけると、4個の穴があきました。その穴と穴の真ん中に穴をあけていき、8この穴があきます。今度は、8個の穴の穴と隣の穴とを3等分して穴を空けていき、24この穴を空けます。底の部分は一気に穴をあけようとすると、ヒビが入ったりするので、ゆっくり丁寧に24この穴をあけます。そして、ヘアゴムを蛇腹状に通していきます。1本のヘアゴムで半分の12個分に通せます。先を結んで固定します。もう1本も同じように通します。2本
のヘアゴムで作ると、蓋がまり開かないので、3本のヘアゴムを使って、1分で8個分の穴を通して、3本通し終わってから、ヘアゴムを引っ張って結んでも構いません。
 これで完成です。
 もう1つの使い方として、おもちゃ売り場などにあるガチャガチャの球形のケースですが、それがすっぽり綿棒のケースに収ります。見ているとアルキメデスの気分にもなれます。また、球体を地球と見なして、地図のメルカトルと図法のことも説明できます。地球の表面を円柱の側面で写し取られているのがメルカトル図法です。また、地球の周りを回っている人工衛星の軌道をメルカトル図法の地図で表すとサインカーブになることも説明できます。

図版などの貼り付けが出来ませんでした
 

投稿: 草彅 浩二