糸とおもりの実験に参加して

 かなり昔、東京地区の黒田先生の講座「1,2を聞いて10を知る 数列の授業」で、授業を楽しむ方法ということで、 ①発展させてみる ②勘を働かせてみる ③図や模型で考える ④「何の役に立つか」と考える ⑤実際に確かめる ということを聞きました。実にその通りだと思います。
 3点からの距離の和が最小なのは、シュタイナー点として有名ですが、その点を増やしたら、どうなるかを考え、実際にやってみる。それが、今回の実験の1つです。点が4つの場合、5つの場合と考えますが、いきなり実験をするのではなく、どの辺りかなと勘を働かせて考える。そして、実験をする。それを、座標平面上の各格子点での距離の和を計算して確かめる。このことは、距離の和の最小を求めているので、通信網ならそのラインが最小で済むし、みんなで待ち合わせをするなら、みんなの移動距離が少なくて済む地点を求めている。この5つに従っています。
こんな風に、先生のアプローチが一貫していて素晴らしいと思います。そういうものを自分も身につけたいと思います。
数学と物理、というような発言がありましたが、具体的な事象を観察して、どうなっているのかを考えることから、物理や数学などが生まれたと思います。そこに壁を考えるのは可笑しいと思います。僕が勤めていた職場の数学の先生で、「私は物理が嫌いだ。単位が付いたものは数学ではない。」と言われていた方がいました。数の世界が数学だと言われていました。こういう立場はいかがかと思います。身の回りを見回して、ある事柄を観察して、数学を発見する、そういう態度が必要だと思います。

投稿: 草彅 浩二