村野学級訪問記1
代休を利用して村野学級を訪問してきました。
1時間目は体育。
子どもたちは4つのチームに分かれて準備運動。
それぞれのリーダーが指示を出しているようで、メニューは各チームバラバラのようでした。
その間に村野先生は器具を出したり白線を引いたり。
この日の種目はTボール。
2面を使って同時に二試合が行われています。
いわゆる三角ベースのコートなので、守備範囲も狭いしゲームの展開も速い。
チームごとに男女が混じって円陣を組んだり、大声出して応援したり。
仲間が失敗しても「どんまい!」と声掛けをし、ファインプレーにはハイタッチで迎えています。
村野先生はそれぞれのコートを行ったり来たり。
余計な説明や指導は一切ありません。
フラフラしている子のそばに行って声をかけ、ホームランを打った子へは「帰って来い!」と檄を飛ばしたり。
ホームインした子をハイタッチで迎えておられました。
この日初優勝したチームの男の子は村野先生に飛びついていました。
2時間目は総合。
総合的な学習の時間で一番重要なことは教材の問題をどうするかということでしょう。
題材に対する興味関心を引き出すためには、教材が必要不可欠です。
まさに教材づくりの達人、村野先生の真骨頂。
今回は野鳥検定、野鳥のさえずりすごろく、野鳥のおてほんくんの三種類を体験しました。
日本野鳥の会からもらったミニ図鑑をベースに開発した野鳥検定。
野鳥の名前や鳴き声を正確に判断できると、検定の級が上がるのです。
野鳥のイラストから判断して名前を書くのがB表。
鳴き声を聞き分けて名前を書くのがA表。
スマートボードのコンテンツを見ながら,「コマドリ!」「カワラヒワ!」「今日、見たよ!」と口にする子どもたち。
トラツグミが出ると鵺の伝説のことを語られたり。
コジュケイの鳴き声をモノマネされたり。
メジロが出ると「そんな地名もあったかな」とつぶやかれたり。
野鳥の学習というのは文化の学習なんだなあと改めて感じました。
すごろくの方も独自の世界観が出来上がっている。
野鳥の鳴き声がカタカナの擬音語で表記されたすごろく盤。
村野先生はどうしてこんなものを思いつくのだろうか。
隣とペアになって嬉々として取り組む子どもたち。
自分の作った教材に子どもたちが食いつく姿を見るのは楽しいだろうなあ。
すごろくを楽しむ彼らを見て回る村野先生を見ながら、そんなことを思いました。
驚いたのは直写ノートを総合のノートとして使っていたこと。
野鳥おてほんくんの直写をするときはもちろん、野鳥検定のテスト練習をするときも、普通のノートとして使っていました。
こんな使い方、初めて見たなあ。
おてほんくんの直写をするときは丁寧になぞることを指導されていました。
羽の一枚一枚、模様の一つ一つを、子どもたちは時間をかけてなぞっていきます。
これらを今度のセミナーでご紹介できるのかとも思うと,ワクワクが止まらなくなりました。
すぐ裏に小さいながらも山がある小学校。
外体育の時も、野鳥の鳴き声がずっと聞こえていました。
素敵な学校なのです。
(つづく)
投稿: 田中 一智