基盤研究C「4Cを育成するCLIL教育方法の研究と日本の小学校教育への応用」研究会開催報告書
「CLILとアクティブラーニング第3回研究会」には50名の参加者に来て頂いた。今回はジョリーフォニックスの公式トレーナーである山下桂世子氏を英国からお呼びし、初学者が音韻意識を高めるワークショップを実践して頂いた。また「子どもたちの異文化への扉を開く国際交流活動」というタイトルで、守口市さつき学園北野ゆき氏と横須賀学院小学校阿部志乃氏からTravel Buddy(ぬいぐるみ留学生)を海外の学校と交換し、ぬいぐるみ留学生が見たこと、聞いたこと、体験したことを相手校へ伝え、ぬいぐるみ留学生を通して外国の留学生活を疑似体験し、世界の様々な国や地域の生活、習慣、文化の多様性を実感できるプロジェクトを、多くの写真を交えてご紹介頂いた。終了後、多くの方からFBなどで感想を頂いたので、以下に示す。
・昨日は貴重な機会に参加させて頂き本当にありがとうございました。Jolly phonics は何度聞いても目から鱗な発見があり明日から目の前の子供たちに使おうと思います。異文化交流の発表を聞き、英語教育は、何であるかの根本を忘れてはいけないと改めて気づきました。
・昨日は貴重な機会をいただきありがとうございました。ジョリーフォニックス ずっと興味があってもっともっと学びたいと思いました。たくさんの学びの場をありがとうございました。
・土曜日は大変お世話になりありがとう御座いました。貴重な場を頂いた事に感謝申しあげます。内容が沢山詰まったお話でとても勉強になり充実した一日でした。自分のアタフタした発表を恥ずかしく封印したい気持ちもありますが、酒井先生に助けを頂き有り難く思いました。心あるご指導の先生ばかりで感動しました。これからもどうか宜しくお願い申し上げます。
・愛知大学に午前は小学校英語教育研究会、午後からはCLILとactive learning第三回研究会に参加させて頂き、おいいに勉強させていただいている山下桂世子先生のジョリーフォニックス指導の講演を拝聴、体験させて頂き自分がやっているフォニックス指導にまだまだまだまだ改善の余地があることことを学んだ。教職課程の学生さんにしっかり学んでもらいたく、山下先生にご講演をご依頼した。また、体の動きを英語教育に活用する手法の1つとしてドラマやミュージカルを取り入れた活動などの素晴らしい実践報告を数例拝聴出来た。
・同志との再会あり、新たなネットワーク構築あり、有意義だった。英語教育のための小学校教育でなく、小学校教育全体を豊かにするための英語教育導入を考える上で、国際交流は一つの回答になると再認識できた。国際交流の実践発表を聞いて、「こんな実践できて羨ましい」と参会者のコメントがあったように、どの教科も担当していて時間割のマネジメントが任されている小学校担任ならではの活動であると感じた。特に英語と総合を中心に他教科を有機的に結び付けることは、まさにCLILであり、小学校教育がより豊かになるチャンスであると思う。相手の意向を大切にしたり、状況に応じた対応が求められるため、カリキュラムマネジメントの力が必要だが、活動が臨機応変に変容することは、双方にとってより価値あるものになっているのだと考えたい。子どもたちがぬいぐるみの名前を付ける時に喧々諤々の議論が巻き起こったように、「主体的・対話的」な学びが起こり、それが相手意識をより深めたことを考えると、「深い学び」になっていると感じた。いろんな先生が国際交流活動に興味を持ち実践できるような活動をしていきたい。「児童の振り返りに、英語や中国語を学んだことが書かれていなかった」と発表者のコメントがあった。これは、「英語の必要性を国際交流によってもたらすことができれば」という指導者サイドの思惑からすると物足りないかもしれない。「交流したから英語の必要性を感じた」とでも書いてくれれば「してやったり」と思えるのかもしれない。
しかし、苦労して書いた英語や中国語を学んだという意識がないくらいに、相手に伝えたいという思いが強く、外国語を使ったことが自然な流れであるためではないだろうか。やらされて勉強したのではなく、コミュニケーションのツールとして使うことが必要であったから、無自覚に自然に使っていたのではないだろうか。これこそが、「相手と仲良くなりたい」という目的があり、自然に外国語に触れようとする本来の姿であると考えている。英語習得の必要感が活動によってもたらされれば、懸念されている英語嫌いの低年齢化に一石を投じることができる。
・T先生の書かれた事や他の先生方の書かれた事、本当にその通りだと思います。子どもたちは活動内容の方が心に残ります。私はそれで良いと思います。活動後に子どもたちは自覚は薄いですが、確実に身についた外国語や活動に必要なスキルがあります。こういう活動を繰り返していく中で外国語に触れて、使って、そのうちにこれは何て言うんだろう、何かルールはあるのかな、もっとうまく正確に伝えたい、という気持ちを持って中学から先の英語へ進む事が出来れば、英語のルールを習う中で「なるほど!」とモヤモヤが消えてすっきりすると思います。英語のルールを習う事が本当は楽しい、面白い、役に立つんだ、という流れにできないか、と考えています。
・山下先生のジョリーフォニックスによる読み書きの基礎作りの講座は、毎日の現場で中学生の困り感と付き合い試行錯誤を重ねている私には本当に勉強になりました。文字を見たときに音とくっつくようになるにはどう指導したらいいのか、見えない音をどうつかませるか、どれだけ子供達が混乱しているかの認識、国語と英語、読み書き指導の現状、自分で読み書きを行うための文字と音を操作する力をブレンディングとセグメンティングで養うなどなど、もう一度自分の中で反芻し、また明日からの授業に役立てたいと思います。
・どのご発表も素晴らしく大変有意義な時間を過ごさせて頂きました❣️
ジョリーフォニックスの山下先生のワークショップはいつものようにpassionとaffection溢れるもので、もっともっと山下先生から学ばせて頂きたい!と思いました。阿部先生と北野先生のテディベアプロジェクトのご発表では、英語を使いたい、なんて書いてあるのか分かりたいという気持ちをこども達に持たせる授業を作らないといけないとひしひしと感じたのと、そういう授業を私も考えたいと、思いました。こども達も、教師もワクワクするようなそんな授業の探求を続けたいです。
・昨日は、CLILとアクティブラーニング研究会に参加させていただきました。多感覚を利用した学習者にやさしいジョリーフォニックスの考え方について学びました。
・ジョリーフォニックス➡︎山下佳世子先生、テディベアプロジェクトのお話➡︎阿部志乃先生と北野ゆき先生
からお聞きすることができました。ジョリーフォニックスはアクティブでストーリー性もあり、異文化理解から子どもたちに寄り添った指導法まで、どストライクだったよーん!そして、テディベアプロジェクトのお話は、もう胸が熱くなるというか、なんというか、素敵なお話でした。先生方、ご苦労も多いかと思いますがそれだけの価値のあるプロジェクトだと感じました。広がっていくといいなぁ。。。ジョリーフォニックスもテディベアプロジェクトも。
おらが町でも採用してくれないかなぁ。酒井先生、安達先生、ありがとうございました。
・今日はイスラム教徒と豚のお話がちょこっと出ました。こういった異文化のお話しは子どもたちにきちんと伝えていきたいお話です。ただ事実を伝えるだけでなく、その深い意味も。
20年くらい前のことでしょうか。
私の父が勤めていた会社にはイスラム教徒の従業員の方たちがいました。あるとき、会社のバーベキューパーティーがありました。彼らは豚肉が食べられないので牛肉や鶏肉を食べていたのですが、日本人労働者のひとりがいたずら心で豚肉を牛肉と偽って彼らに食べさせてしまいました。そして「それほんとうは豚肉だよ。」と言った途端、それを食べてしまった人はトイレに急行、指を口に入れて必死に涙を流しながら頑張って吐き出していたそうです。
昨年のこと。なぜだかわからないけれど、息子がイスラム教徒の学生と食事をする機会がありました。そこにいた日本人学生のひとりが、やはりいたずら心で・・・20年前と同じようなことが起きたそうです。
父も息子も、かなり立腹したらしく、帰ってきてからもかなり憤っていました。
イスラム教徒の人たちにとっては豚を食べてしまうことは死に値する大罪です。知識としては持っていながら、その本質が理解できていない。悲しいことです。
投稿: 安達 理恵