財政的な教育条件整備の話を聞いて

参加された方の声

研究へのアドバイスも頂き充実しました
 情報教育に関する教員研修の実態やデジタル教材に関する背景について研究していることや、卒業までに工業科の教員免許を取得中なので、今回、技術教育について実践している技術教育研究会北海道支部夏季研修会でいろんな先生とお話ししたいと思い、講義等の合間を縫って参加しました。
 作業の解説をした図が掲載されている指導票について議論もしました。指導票に、道具の使い方の図が間違って載っている場合について話され、もし、教師が間違えた内容を気づかずにたまたま教えた場合、生徒は疑わずに受け入れてしまうと思いました。技術科の授業で使用する工具は、普段使わない物も多く、さらに危険なものもあるので正しい知識を教えることが大切で、技術科は特に重要な教科であると考えます。
 1日目の実技研修講座のテーマが「加工学習における学習の困難さを解決するキット教材」となっていたので、私は、会場校に勤務する先生に教えて頂きながら製作させてもらいました。授業の実際は大勢の生徒がいる中で教えないといけないので、教室の人数についても考えさせられました。
 私は、愛知県蒲郡市の中学校で当時技術科の授業を受けていましたが、そこでも技術科教員が、実習で製作していたものの意図や選定基準なども考えられていたこと、厚い材料を切る経験を積ませたいことや一部加工済の木材を使用することや、一部の作業工程を省いて他の教える内容に振り分けることを考えていること、重点的に教えたりする内容を見出し、時間をかけて教えること等について教師が子どもたちの実態を踏まえて、考えていくことの難しさがわかりました。
 研修の合間にいろいろな教育現場の実態をお聞きしました。デジタル教材を導入するための予算は、行政から措置はされるが、生徒全員分のソフトを買う予算がないことや、そうした予算は、生徒の授業に直接教材として使用することに限定されており、教員が教育方法の効率化等のために必要と考えるソフトやハードさらには施設・設備等を購入することが買うということはできない決まりとなっているということを聞いて、購入する物品を決める学校や授業そのものをする教員自身が、予算を柔軟に使えないことから、授業をよりよくする機会を失ってしまうと思いました。
 病弱学級のことも教えてもらい、30万円分の予算が支給されるが病弱児学級用備品向けに編集されたカタログから購入しないとならないことや、採血のキットなど学校の職員では使用できないものが掲載されていて、購入の是非を考えてしまうことなども含めて結局購入したいものがあるにもかかわらず、予算執行そのものが難しくなってしまうということを聞かせてもらいました。
 参加された先生に電子黒板と実物投影機の利点は何かと聞かれ、教師が子どもへ解説をする為に先生が教科書の文章を黒板に書き写す時間を減らすことができると話すと「本当にその時間が無駄なのか」「子どもが黒板を写す時間等になるのではないのか」「画面越しで見ることで実際に見るより薄っぺらくなってしまう」ということを聞きました。
 自分が考えていなかったデメリットや自分が思っていた利点が必ずしもそうではないということを実感しました。教えてもらい自分の視野が狭かったということを感じました。
 さらに、手元での作業工程を説明するのも実物投影機でやってもよいと思っていたら、「教室の前方へ容易に集合できる場面では使用しない方がよい状況もある」という話もお聞きしました。工学からの視点で開発した製品を実際の教育現場で働いている教師の意見を取り入れることでより良いものにできることを実感しました。
さらに、先生方の話を聞くまで知らなかったこととして、こうした研修会に参加するのが難しいぐらい学校の業務が忙しいということを知りました。つまり、参加していないのではなく、したくても参加できないという教育現場の状況があるということがわかりました。
 参加された大学の先生からは、研究内容を1つのことに特化させて研究の手法の信憑性等も考慮して進めた方が良いというアドバイスをもらえました。
ICT機器の条件整備に関連するどの分野を突き詰めていくのかと調査方法を考えて卒業研究を研究していきます。
(北見工業大学工学部情報システム工学科光情報処理研究室 4年)
https://ja-jp.facebook.com/gikyouken/

投稿: 技術教育研究会 北海道支部