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この度、「教師教育ネットワーク理論研究会」(代表・上條晴夫)では、「教師の成長を促す!『質的研究』入門」という連続セミナーを開催することになりました。
質的研究とは、インタビューなどの手法を用いることによって、数量化することなく、現場の切実な問題や効果的な対策を構造化し、実践に資する知見を得るための新たな研究手法です。多くの子どもたちを動かすための教育方法(仮説)を検証する「量的研究」では、多数者の数に目が注がれます。これに対し、質的研究は「少数者の声」に着目します。少数者の語りの中から 教育方法(仮説)を生成していこうとします。
ではなぜ<いま>質的研究なのでしょうか。それは現在の多様化した教室の中で実践を進めていこうとすると、これまで主流であった「量的研究」だけでは不足・不十分であると考えるからです。多様化した教室とは絶対数は少ないけれども「特別支援を要する子」「外国にルーツを持つ子」「貧しさ故に落ち着けない子」のいる教室のことを指します。そうした教室でインクルーシブな教育を行おうとした時、教師・教師教育者にとって「少数者の声」を聞き 取る質的研究のアプローチが絶対必要になるはずだからです。
しかし、質的研究は実践的には有効であっても、そもそも事例研究の知見を一般化することは可能か、広い意味での科学性を担保できるのか、量的研究との相反する認識論を齟齬きたすことなく駆使するにはどうしたらよいか、などの多くの問題があります。
そうした問題を根本から解決し、信念対立に陥らない形で相互研鑽できるよう質的研究を普及させていくためには「理論とは何か」「科学とは何か」「一般化とは何か」「方法とは何か」「価値とは何か」といった原理的な問いに答えることが必要不可欠なのです。本講演ではそうした原理論として構築された構造構成主義を基軸に、質的研究を巡る諸問題を解消していき、これだけ押さえればよいという研究の本質(=エッセンス)を伝えてもらいます。その後、質的研究に際する典型的な批判(誤解)に対する応答を基軸としたロールプレイング形式のグループディスカッション演習を通して理解を深めていきたいと考えています。
「教師教育ネットワーク理論研究会」では、2013年度、今回を含めて全4回のセミナーを考えています。多くの「教師・教師教育者」のご参加をお待ちしています。
記
■日 時:2013年6月2日(日)13時~18時
■場 所:早稲田大学・早稲田キャンパス11号館901教室
http://www.waseda.jp/jp/campus/waseda.html
■テーマ:「構造構成主義による質的研究の本質論」(講義2時間・演習3時間)
講演:「構造構成主義により質的研究の本質を押さえ、典型的批判に理論的に返答できるようになるために」
演習:ロールプレイング。班を先行と後攻の二つにわける。最初に「質的研究」に対する典型的な批判をぶつける(答える)準備をし、その典型的な批判をぶつけるグループと、それに答えるグループに分かれてディスカッションする。先行・後攻を入れ替えて更にディスカッションする。ディスカッショングループごとに、うまく答えられなかった難問を1つ2つまとめて提出してもらって、最後に講師がそれに答えていく。こうした演習を通して質的研究を教育現場で実効性のあるものにしていくための理論力を鍛えていく。
■講 師:西條剛央(早稲田大学大学院商学研科専門職学位課程(MBA)専任講師)
■懇親会:有志が集まって、高田馬場駅周辺で懇親会の予定です。
*参加費とは別に懇親会費がかかります。
■定 員:80名
■費 用:8000円(参加費は当日受け取ります。ただし5月19日以降のキャンセルの場合は参加費をお振り込みいただくことになりますのであらかじめご了承ください)
■持ち物:飲み物・おやつ等(休み時間が短いためご持参下さい)
■テキスト・参考文献・『ライブ講義・質的研究とは何か(全2冊)』(新曜社)
(必ずご一読の上ご参加いただければと思います)
■申し込み *申し込み先上條晴夫(「理論研」担当):haruo.kamijo@gmail.com
*名前・所属・メールアドレス・電話番号を添えてお申し込みください
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