日本学校精神保健研究会　2018年度夏季セミナー（東京会場）

日本学校精神保健研究会　2018年度夏季セミナー
　　テーマ：子どものメンタルヘルスへの対応力を高めるー専門性と調整力の力量アップー

1. 趣旨
　子どもたちの心身の健康課題が多様化・深刻化・複雑化している現状を踏まえ、関わる教職員や関係する専門家がそれぞれの専門性を発揮することが求められています。そのためには基礎的・基本的な知識が必要であることはもとより専門性や調整力等のスキルの向上が不可欠です。
　本研究会の夏季セミナーでは、これらを踏まえ、講義・演習等を通して、求められる力量形成を図ることを目的としています。皆様のご参加をお待ちしております。

2. 開催日時
　日時：平成30年8月4日（土）　9時30分から16時（受付・開場は9時）
　会場：東京大学（浅野キャンパス ＊本郷キャンパスに隣接）武田先端知ビル・武田ホール
　アクセス：地下鉄千代田線「根津駅」より徒歩6分/地下鉄南北線「東大前駅」より徒歩10分
　　
※　同内容で７月１６日（月・海の日）に軽井沢会場（軽井沢町立中軽井沢図書館多目的ホール）にて行います。

３. 研修内容

講義｜子どものメンタルヘルスの基礎理解̶ＶＴＲ視聴と解説
　精神疾患の学校内での予防と対応に必要な基本的知識を解説します。特に、精神疾患の頻度、長期的ケアの必要性、対応への躊躇に影響する諸特徴、医療関係者との連携のあり方についてお話します。また「チーム学校」が進む中で養護教諭が果たすべき役割・立ち位置についてもお話したいと思います。

講義・演習｜なぜ、今、養護教諭がキーパーソンと言われるのか
　近年、心の健康問題への対応について養護教諭の専門性や調整力に多くの期待が寄せられています。このことについて概念的に理解しても「どんな対象に」、「いつ（タイミング）、「どこで」、「どのように」、「誰と」、「どの組織を活用」するのか、そこに養護教諭ならではの専門の力と調整力（コーディネーター力）をどのように発揮するのかについて前の講義を踏まえ具体的な例を基に語り、深めたいと思います。

講義・演習（ランチョンセミナー）｜働く人のメンタルヘルスとストレスチェック
　近年、教職員の精神疾患による休職者数は年間5000名前後で推移しており、教職員のメンタルヘルス向上は重要な課題となっています。長い労働時間や業務によるストレスは精神的不調と密接にかかわっており、ストレス対処の実践が重要です。このプログラムでは、働く人のメンタルヘルスとストレスに関する基礎知識を学び、唾液を用いたストレスチェックを体験していただきます。自身のストレスを知り、ストレスが身体に影響することを体感することで、ストレスへの関心を深める糸口となればと思います。

演習｜専門家との連携記録シートの作成体験
　子どもの健康問題の解決は専門家との連携が欠かせません。このことは十分承知していても、いざ専門家に相談や診察等を依頼する際に「どのような場合に、どのような内容で、どのように、どこまで、どのタイミングで、どの程度まで」記録するのか戸惑うことが多々あるかと思います。そこでここでは、実際の場面を想定して連携のための「紹介シート」の作成にチャレンジし、今後の実践に活かすことを願ってこのテーマを設定しました。

ワークショップ｜いじめの被害者にも加害者にもなる子ども「いじめ防止」に必要なことは何か
　いじめは心身の健康だけでなく、いのちをも奪いうる問題です。そしてこのことは子どもの時だけの問題ではありません。いじめの被害を受けた子どもは大人になってから精神科を受診するリスクが高いと報告されています。さらに加害者であってもそのリスクが高いことにも注意を向けるべきです。被害と加害は流動します。
　私たちのこれまでの研究・開発、そして実践からつくり上げてきた「いじめ防止」を提案するとともに、もう一歩踏み込んで、本当の意味で子どもをいじめから守るために必要なことについて一緒に考えたいと思います。

　＊詳しいタイムテーブル等はホームページをご参照ください。
http://www.p.u-tokyo.ac.jp/~kenkou/project/alltopics/27.html

４．申し込み方法
　日本学校精神保健研究会ホームページ「夏季セミナー参加申し込み」よりお申し込みください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeppf7dWjgXxDcolowTrZzz0X-d6SusC--EpHloj9bkqCqIXw/viewform

（または「日本学校精神保健研究会」で検索）　
　　※申し込みおよび振込み締め切り　2018年7月9日（月）必着