福島原発事故から11年目を迎えるなか、記憶の風化が懸念されています。この事故以前に日本政府が発行した小中学生向けの原子力副読本は、原発の安全性を強調する内容でした。そして事故後に発行・改訂された放射線副読本からは、事故当時の情報が次第に削られてきています。
今回は、このような偏った教育・広報により人々の公正な判断力が低下させられてきた教訓を、“減思力”という造語で指摘している福島大学の後藤忍さんからお話いただきます。また、福島での放射線教育が安全神話に偏らないよう活動してきたフクシマ・アクション・プロジェクトの佐々木慶子さんからコメントをいただきます。
【講師プロフィール】
後藤 忍(ごとう しのぶ)さん
福島大学放射線副読本研究会代表/福島大学大学院准教授。福島第一原発の事故後、環境教育の観点から特に原子力・放射線教育に関心を持ち取り組んでいる。政府が発行した原子力および放射線に関する公的な副読本における「公平性」の問題に着目し、福島大学放射線副読本研究会を組織し、独自の代替案となる放射線副読本を作成。また、福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」とチェルノブイリ博物館の展示内容の比較なども行っており、その内容はフクシマ・アクション・プロジェクト発行のブックレット『「コミュタン福島」は3.11以降の福島をどう伝えているか』に所収されている。
佐々木 慶子(ささき けいこ)さん
元中学校英語教師。2012年に「フクシマ・アクション・プロジェクト」(以降FAP)を提唱し事務局長を務め、2018年から共同代表と兼務。2016年、福島県環境創造センター「コミュタン福島」設立の際、FAPとして、その準備段階から「公正な情報発信」を求めて県と交渉を重ねてきた。また、2013年に、FAPブックレット第1弾「IAEAに正しく対処するための参考資料集」、2017年に、ブックレット第2弾、後藤忍さんの講演をまとめた「『コミュタン福島』は3.11以降の福島をどう伝えているか」を作成している。
【開催日時】
2022年3月9日 (日) 19:00-20:15
【参加方法】
下記リンク先より、お申し込みください。登録した際にその方専用の参加URLがZoomより送られますので、お時間になりましたら、送られて来たURLからご参加ください。
https://is.gd/TPU4wy
▼アーカイブ:
お申し込みされた方に一週間限定のアーカイブをお送りします。お時間が合わない方でも、ぜひお申し込みください。
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【主催・問合せ先】
ピースボート事務局
メール:event@peaceboat.gr.jp(@は半角に書き換えてください)