開催日時 | 19:00 〜 21:30 |
定員 | 22名 |
会費 | 1500 (学生1000円)円 |
場所 | 東京都新宿区東京都新宿区大久保2-12-7 大久保地域センター 和室 |
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気になるリストに追加【活動1】
教育と演劇のための「ドラマ/シアター・ゲームと即興」
昨年、発刊した「44ドラマ/シアター・ゲームと即興のエクササイズ」の内容を充実させるための議論と実践(ワークショップ)を行う。新しいドラマ/シアター・ゲームと即興のエクササイズを紹介し、教育的目的と演劇的(演技基礎的)目的について考察する。
【活動2】
鶴屋南北作『桜姫東文章』のリーダーズ・シアター
2018年6月14日稽古内容(幕・場)
発端 江の島児ケ淵の場 上演テキスト p.01-09
序幕 新清水の場 上演テキスト p.10-40
桜谷草庵の場 上演テキスト p.40-67
南北の台詞を正確に、意味がわかるように、役の意思が伝わるように読むにはどうしたらよいか考える。そのために語彙の理解、文字から入る調子・読んだ調子・文体へのほのかな理解・演技論への見通しなどについて随時議論する。
【活動1の内容】(ドラマ&シアター・ゲームと即興)
1. 「即興劇への挑戦」
2.「ドラマと歴史の勉強(年表作り)」
⒈ 「即興劇への挑戦」
「学習目標」:即興のゲームに参加し、活動することによって、特定された「どこ」、「だれ」、「なに」を表現する能力を身につけるであろう。
「必要な教材」:特別なし
「導入」: パートナーとティームティーチングしていると設定する。生徒たちを教室へ入室させる。私たちはこれから授業を開始するが、授業では即興でゲームを行う。キー(要点)は、あたかも台詞を言っているかのごとく即興を演じなければならない。即興劇だから何を言うか準備する稽古はまったくない。
【ステップ1】: さっそく「ことば・ボール」と言うゲームを始めよう。このゲームでは、クラスの人全員が立って円を作る。ボールを人から人へと次々にパスする。あなたはボールを少しの時間でも持っていてはいけない。なぜならこのボールは数百度に熱せられたボールなのだ。とにかく素早く渡すことだ。
【ステップ2】: 熱いボールは片付けよう。Aの人からBの人にボールをパントマイムで渡す。受け渡しは目の合図だけで行う。口を聞いてはいけない。あなたは、誰かがあなたに目で合図をした時、ボールが送られて(放られて)くるのだ。そのボールをあなたは受け取る。あなたがだれかに瞬きする。そしてその人にボールをパントマイムで送る。このゲームも早いボール・パスが求められる。(ボールは順序よく送られるのではなく、あちこちの人にパスされるのがいい。)
【ステップ3】: 今度は言葉をパスする練習である。あなたはある人を見て、一つの言葉、例えば「コンピュータ」とか「おにぎり」とか言う言葉を送る。受け取った人は、心に浮かんだ最初の言葉を次の人に素早く送る。その時必ず相手と目で交流し、そして言葉をパスする。このゲームの目的は、生徒たちが感知し、考え、判断する力、言い換えれば「意思決定」の力を磨く練習である。心に最初に湧いたイメージを言葉にする、送る相手を即決する、言葉を送る、届いたことを確認する。一連の作業を繰り返し、相手から与えられる刺激に対する精緻なリアクションを精緻にしていく。
【ステップ4】: 次のゲームは「タイプライター」と呼ばれる古典的なゲームである。今日なら、「ワードプロセッサー」または「ワープロ」と命名するのが良い。一人が「作家」の役を演じる。2から5人の人が登場人物を演じる。他の人はエクササイズを観察し、評価する。作家はリハーサル・ルームの片側に座り、ワープロで台本を書く。作家は、「台詞」や「ト書き」を大きな声で喋りながら台本を書く。登場人物たちは、作家の台詞やト書きを生かしながら、即興で演技を続ける。俳優たちは、つい遊びが勝って台本を逸脱しがちであるが、作家は絶対的な支配権を持っている。このゲームの目的は与えられた「だれ」、「どこ」、「いつ」、「なぜ」の設定を生徒たちが創造し、自由に表現する機会を与えることにある。
付記 「44ドラマ/シアター・ゲームと即興のエクササイズ」に「ロボット」という古典的なゲームを載せている。「ロボット」ではロボット役の俳優は台詞を言わない。作家が書くセリフやト書きに順応して演技をするのが原則である。今日のロボットは対話をするようになったのでゲーム名と内容がそぐわないことが多々ある。
⒉ 「ドラマと歴史の勉強(年表作り)」
教師のための演劇史研究。グローバルな視点の芸術教育、かつトラディショナルな芸術観を持つ教育を志向する教師は21世紀において不可欠な存在である。低次元で、狭隘なコミュニケーション教育としての演劇教育は世界では歓迎されない。たまに演劇史を紐解いてみると、教師としてまた演劇人としての自分の立ち位置が見えてくる。
このレッスンは大きな所々「年号、作者、作品、俳優・演出家、演劇専門用語」などが欠落している世界演劇史年表をグループが競争しながら完結させるゲーム形式をとっている。生徒はライブラリーへ飛んで行くもよし、コンピュータで調べるもよし、電話するのも認められる。
B.C.6世紀から8世紀 ギリシャ劇/ローマ劇
伎楽/舞楽/散楽
9世紀から12世紀 宗教劇《サイクルcycle(連続劇)とページェントpageant(行列劇)》
舞楽/猿楽/傀儡子
13世紀から16世紀 キリストの受難劇《復活(祭)劇、降誕祭劇、受難劇、預言者劇、奇跡劇、道徳劇、聖史劇》/コメディアデラルテ
能楽/能狂言
17世紀から19世紀 シェイクスピア/モリエール/ゲーテ/ワーグナー
歌舞伎/人形浄瑠璃
20世紀から現在 イプセン/チェーホフ
新歌舞伎/古典歌舞伎/新劇/新派/歌劇/レヴュー/ミュージカル/軽演劇など
日本演劇史と西洋演劇史の比較対照表(原題は「日本演劇史表解」)
は河竹繁俊氏の『概説日本演劇史』(岩波書店、1966年)から引用させていただいた。
ドラマ&シアター・ゲームの教育的・演劇的目的
■決断力(making a decision )
■自分の柔軟な創造性を引き出すために、心の扉をあけて見る。
■完全な、秀でた表現を自分に求めない。仲間の感心を呼ぼうとしない。
■自分の演技を批判的に評価しない。
■台詞を支える肉体表現の振幅を拡大する。または台詞のリアリティを身体表現で拡張する
(いわゆる身振り演技や外的必然性に頼る演技と同一視しない。)
■芸術表現の訓練は100回を超える頃から形式化する。形式が生まれたところから演技へのアプローチが始まる。
■無駄な、虚しいと思う表現に臆してはならない。演技は、演技者が1000回に1回の真のリアリティを感じるくらい実と虚の距離があるという。
【活動2の内容】(鶴屋南北作『桜姫東文章』のリーダーズ・シアター)
6月14日稽古内容(幕・場)
発端 江の島児ケ淵の場 上演テキスト p.01-09
序幕 新清水の場 上演テキスト p.10-40
桜谷草庵の場 上演テキスト p.40-67
南北の台詞を正確に、意味がわかるように、役の意思が伝わるように読むにはどうしたらよいか考える。そのために語彙の理解、文字から入る調子・読んだ調子・文体へのほのかな理解・演技論への見通しなどについて随時議論する。
今回は以下の事項を中心に進める。
▪️道具帳 scene design(江の島児ケ淵の場/新清水の場/新清水の場)
常足/中足/高足という寸法、浪板、吊り枝(桜、梅、紅葉、柳、杉など)、本舞台、大臣柱、 「座へ入る」、日覆い、心火・陰火・焼酎火、鈴木春信の「清水舞台より飛ぶ女」
▪️鳴物
時の鐘、浪(波)音、風音、水音、山おろし、雪音、薄ドロ、大ドロ、片しゃぎり(砂切)、しぎり、着到太皷、打出し太鼓
▪️合方
社殿唄入り、禅の勤め、早禅、双盤唄入り、行列三重、寝鳥の三重、琴歌、笙入りの合方、独吟
▪️狂言作者(狂言方)
拍子柝、まわり、二丁、拍子幕、本幕(ダラ幕)、ちょちょん、木頭(柝の頭)、プロンプター、抜書き、舞台進行
読み合わせの中で以下の点を。
■作者・南北について
■作品のテーマや今日的意義について
■三一書房『鶴屋南北全集』(1971-1974) 第6巻収録の『桜姫東文章』と上演台本の違い
■桜姫のリアリティ(「都鳥の一巻」と家督制度
■清玄と桜姫の間に横たわる魂のDNAとしての輪廻
■江戸時代の男たちの女性観から生まれたヒロイン桜姫
■桜姫とクリュタイメーストラ(アイスキュロス作『オレスティア』三部作)との比較
■南北と黙阿弥のドラマツルギー(Dramaturgie)
■キャラクターの分析
■歌舞伎役者の演技(スキル、心理、発声、感性、解釈、身体、美意識)について理解を深める
このリーダーズ・ シアターでは南北の桜姫東文章を日本語として表現することに挑戦してみる。最初は希望者全員が桜姫を演じ、釣鐘権助を演じてみる。個性的な役が次々に登場するから読み合わせでも十分な達成感が得られるだろう。
鶴屋南北、『桜姫東文章』、歌舞伎、リーダーズ・シアター※1に関心のある方は遠慮なくご参加ください。演技の経験がない方、歌舞伎に馴染みがなかった方も歓迎します。教員、社会人、学生、俳優など全員を受け入れます。
「まず行動せよ、そして考えよ!」がテーマである。
※1文章=章立てのある長い文=物語、伝説の意。「東文章」は東国の物語という意味。「桜姫東文章」というタイトルは、昔お姫様が拉致されて東国へ連行された事件のドラマ化された歌舞伎劇作品であることを指している。他に「文章」が使われた外題には「廓文章」(近松門左衛門作「夕霧阿波鳴渡」吉田屋の段の書き換え)がある。
◆◆ゼミの年間活動とカリキュラムの概要 ◆◆
その1 「ドラマ&シアター・ゲームの教育での使い方、俳優養成での使い方」の研究
その2 『44撰 ドラマ&シアター・ゲームと即興』の拡充(ゲーム数を増やす。解説や使用法・目的・評価を書き込む)
その3 特別講座「英国でDrama and Theatre を教育研究した4人の女性による連続ワークショップ」
その4 リーダーズ・シアター(鶴屋南北作品を読む)
【全12回】毎月 第2木曜開催
※単発での参加も可能です。
No.1 2017年11月 9日(木) 19:00~21:30 (終了)
No.2 2017年12月14日(木) 19:00~21:30 (終了)
No.3 2018年 1月11日(木) 19:00~21:30 (終了)
No.4 2018年 2月 8日(木) 19:00~21:30 (終了)
No.5 2018年 3月 8日(木) 19:00~21:30 (終了)
No.6 2018年 4月12日(木) 19:00~21:30 (終了)
No.7 2018年 5月10日(木) 19:00~21:30 (終了)
No.8 2018年 6月14日(木) 19:00~21:30
No.9 2018年 7月12日(木) 19:00~21:30
No.10 2018年 8月 9日(木) 19:00~21:30
No.11 2018年 9月13日(木) 19:00~21:30
No.12 2018年10月11日(木) 19:00~21:30
【講師&ゼミのトータル・コーディネーター】
《小林志郎》
東京学芸大学名誉教授・元副学長。有明教育芸術短期大学終身名誉学長。高等教育におけるパーフォーミング・アーツ(演劇・舞踊・音楽)教育のフィロソフィの構築とその実際に尽力。理論の中心は、日本の伝統芸術(能狂言と歌舞伎、日本舞踊、日本の伝統音楽)の基礎教育と西洋の芸術教育との融合におかれた。専門は演劇教育学、現代演出論。本ゼミのトータルコーディネーター。
【お申込はこちらから】
◆メール
演劇教育研究ゼミ事務局
drama.edu.zemi@gmail.com
(氏名・参加申込回・一般/学生・お電話番号をご明記ください)
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