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英語授業学研究所10月月例会

開催日時 13:00 15:00
定員20名
会費無料円
場所 東京都新宿区東京都新宿区高田馬場3-8-1 東京富士大学

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英語授業学研究会10月月例会を次のように開催します。どなたでも無料で参加できますが,本ポータルを通じて事前申し込みをお願い申し上げます。

「英語借入語(外来語)を活用した語彙リストの作成-英語授業学研究の視点からみる語彙指導の発展過程-」

鈴木政浩(西武文理大学)

目的
 本発表では次の2点を目的とする。

日本語における英語借入語を活用し,語彙サイズを増やすためのリスト作成の手順を提案すること。
作成した語彙リスト特徴(語彙サイズ)活用法と増殖可能な語彙数について報告すること。

問題の所在
 音読指導と並んで,語彙習得は英語学習に極めて重要な役割を果たす。しかしながら,これら2つの領域については長年学習者まかせにされてきたのが現状であり,これが英語学力格差を広げる原因となっていると思われる。
 近年Word Familyを活用した語彙サイズの伸張の意義を主張する知見がある。Nation(2013)他は,出現頻度上位2000語から3000語の見出し語とそのword familyの習得が重要であり,この語彙レベルをいかにクリアするかを考える必要がある。

 しかし,中学レベルの語彙を十分習得していない学生にとって,採用できる見出し語(headwords)には限りがある。
 英語授業学研究では,楽しさの要因をふまえた望ましい英語授業の枠組を提案した。この枠組は,次のような語彙指導の発展過程を提案することができる。

第1段階:日本語との対比で学ぶ
第2段階:語源等を通じて学ぶ(言語文化的学びの楽しさ)
第3段階:教材を通じて学ぶ(Reading教材)
第4段階:英語を使ってみる(Authenticな英語教材)

 語彙習得を第1段階の日本語との対比で学ぶ場合,英語借用語(外来語・カタカナ語)の使用が有効であろう。これらの英語借入語についてつづりと意味を一致させた後,これらのword familyを学習し語彙サイズを増やすことが,さらにその先の語彙習得につながると考えられる。

方法と手順
 中学レベルの語彙を十分習得していない学生を対象とし,以下の手順で語彙リストを作成した。
(1)NationがWeb上で公開している10,000語の見出し語リストから英語借入語のみを抽出したリストを作成する。
(2)上記英語借入語のword familyに属する語彙を抽出したリストを作成する。
(3)語源や発音等の類似性に着目した語彙を収集する。これらの語彙のword familyに属する語彙を抽出したリストを作成する。

 本発表では,(1)(2)で作成した語彙リストにより,どの程度の語彙サイズを習得することが可能なのかを検証する。

結果と考察
 (1)の語彙リストには,およそ1,151語を抽出した。日本語になっているカタカナ英語がわかれば,1000語以上の語彙習得が可能となることがわかった。Nationの10,000語には含まれていない英語借入語も相当数あり,これらを含めればさらに多くの語彙を習得することが可能となろう。
 さらに(2)では,10,000語のうち最初の1,000語に含まれる英語借入語から抽出したwor familyだけで1,150を抽出した。残り9,000語に含まれる英語借入語が属するword familyにはそれ以上の語彙が含まれることが予想され,英語借入語の習得だけで最低でも2,300語以上の語彙を習得することが可能となることがわかった。

課題
 語彙サイズには個人差があり,学習の個別化が必要であろう。そのために現在作成中の語彙リストをWeb上の学習システムに組み込み,独習が可能な環境を構築する。
 英語借入語を活用する場合,発音は日本語として定着している。この矯正をシステム上でできるかどうかを確認する。
 前述の語彙指導の発展過程にある,第3段階・第4段階に進むためには,英語借入語の見出し語およびword familyにある語彙を活用しする。さらに,既知の語彙を語根とする語彙とそのword familyのリストを作成し,既習語を活用した語彙リストを作成する。
 発音が類似しているもしくはつづりの一部に既習語を含む語彙のリストを作成する。
 これらの語彙リスト作成後,語源等の説明により習得が容易になるであろう語彙リストを作成する。
 最終的に中学校レベルの語彙習得から始め,語彙指導の発展過程第4段階に到達することを可能とする語彙リストを作成し,Webシステムで学習可能にする予定である。最終的にリメディアルの枠を出てDevelopmental Educationへとつなげる語彙指導のあり方を提案したい。

 当日は英語借入語とそのword familyに属する語彙リストを提示し,リストの作成法についても議論を進めたい。

 Webシステムの利用に関しては科研費を取得しているため,使用は原則無料(人数限定)で可能です。今後正答率等の検証のため,システムの使用を希望される方々のご参加をお待ちしています。

 本発表はJSPS科研費17K02896の助成を受けたものです。

Facebookにグループを作りましたので是非ご参加下さい。

https://www.facebook.com/groups/ejugyou/

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