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映画を観ているみたいに小説が読める「カットイメージ」体験セミナー2019.1.6

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映画を観ているみたいに小説が読める「カットイメージ」体験セミナー2019.1.6

くわしくは、下記のページをご覧ください。

教育エジソン

https://education-edison.wixsite.com/education-edison

〈カットイメージとは〉

「カットイメージ」は、高校の国語授業の手法でありながら、まったく新しい心理学的な発想から生まれた学習法です。誰でもできる簡単な作業で、心に浮かぶ物語イメージを活性化し、読書中のイメージ体験を豊かにします。国語学習の枠を越えて、読書を楽しみたいという、すべての人に役立つ方法になっています。
 今回の講座では、まずイメージとは何か、カットイメージとはどのようなものかを体験的に理解します。次に、それを応用して短編小説を読んでイメージを語り合い、深めていきます。
 教員の方には、授業に役立つヒントになりますが、小説が好きで読書に関心のある方なら、どなたでも参加できます。読書にもっと集中できたらという人にも効果的ですし、読書家なら小説を読む楽しみがさらに広がります。
カットイメージ体験が初めての方は、まずこの体験講座を受講いただき、午後のカットイメージ読書会にも、よろしければ御参加ください(別申し込みが必要です)。

 今まで教員向けとしては、東京都の国語教育研究会で年2回ずつ研修会を実施し、2015年の全国高等学校国語教育教育連合会(全国連)の大会では、ワークショップも開催するなどしてきました。
 教員にとどまらず、一般の方向けには東京都教育委員会主催の都立学校公開講座(4週連続)を例年2回開講し、20~70代まで年齢も職業も幅広い参加者で楽しく語り合っています。
 今回の講座は、読書に関心のある、より多くの方にカットイメージを知っていただきたくて開催するもので、既に10回目になります。カットイメージの作業を実際に体験し、読みが深まることを実感していただく講座です。読みやすい小説や映像を用いて、参加者同士の意見交流を中心に進めます。。
 費用が無料なのは、講師が公立学校教員であるためで、それ以上の意味はありません。安心してご参加ください。

※以下、「カットイメージの感想」および「カットイメージ誕生物語」を掲載します。興味のある方はお読みください。

〈カットイメージを体験した方の感想〉

1)カットイメージ体験講座、入門講座を受講した一般の方の感想
①(前に受講した)大学時代の先輩から勧められて参加しましたが、前評判通りとても面白い内容でした。ここまで深く小説を読んだことはなかったように思います。読んでいるようで、あまりイメージせずに流していたことに気づきました。短編小説も、普通に読んでいたらこれほど心を動かされたのか、疑問です。授業でも使ってみようと思います。ありがとうございました。 (30代男性 中学校教員)
②ただ単に読書するだけではできない、深い理解につながる読解方法であると感じました。この方法が広がれば、国語が苦手だという生徒が減少するのではないかと感じます。くり返し実践することで、より深い理解・考察が可能になると思います。 (20代 女性)
③新しい手法を一つ、知ることができてとても有意義でした。小説を読むのも久しぶりで、ことばからイメージすることをふだんやっていないので、新鮮でした。脳が活性化される感じがありました。(20代女性)

2)カットイメージによる国語の授業を受けた高校生の感想
①今までの授業では段落ごとに分けて読み解いていたので、カットイメージはとても斬新なアイデアだと思いました。慣れない作業に初めは手こずりましたが、次第に慣れていくと、物語の情景について深く考えたり、自分なりに小説の内容が理解できるようになっていきました。カットイメージは、物語を読み解くためのとても画期的なやり方だと思います。(女子)
②カットイメージをすることによってそれぞれの場面が具体的に思い浮かび、内容への理解が深まるので、あらすじをまとめたり、誰かに内容を説明したりするときに、とても役立ちました。また、人物の行動で気持ちが読み取れたし、読む人によってそれぞれイメージが違ったりしておもしろかったので、ぜひまたやってみたいです。(女子)
③私はすぐに文章を理解することが得意ではないので、カットイメージを利用することで、「このように物語を理解することができるのか!」といいヒントを得ることができました。これからも習ったことを生かし、自分に合ったやり方を見つけて物語の世界を深めていきたいです。(女子)
④カットイメージは、ふだん読書のときに何げなくしていることだと思いました。しかし、意識的にやってみると、どんな難しい文章でも全体の構成がよくわかり、場面の情景が想像しやすいものに変わるなと思いました。今後、要点整理が難しい文章の読解に活用してみたいです。(男子)
⑤カットイメージを使うことで、どこが大事な場面かを意識するようになりました。短い文章でも、物語全体に大きな影響を与える部分があると実感できてよかったです。また、感情の変化もわかりやすく、この行動があったから感情に変化があったんだと納得できました。(女子)
⑥カットイメージは私には難しい作業だったけれど、内容が細かくわかってよかった。カットイメージをすると人物の動作や表情の変化を細かく理解することができたし、内容がよく頭に入るので、テストのときに役立ったと思う。また、小説のまとめの授業で、それぞれどの場面が心に残っているのか発表したとき、一人一人の感じ方の違いがわかり、おもしろかった。(女子)

3)全国高等学校国語教育連合会(全国連)でカットイメージのワークショップ(『羅生門』の模擬授業を含む)を受けた全国の先生方(高校、国語科)の感想
①非常に勉強になりました。カットイメージを初めて体験し、自ら生徒となり夢中になっていることに気がつきました。ぜひこの体験を生かし、自分の授業でも一度やってみようと思います。ありがとうございました。
②何度も読んだことのある『羅生門』をカットイメージで読むことで、これまでよりも映像的に読むことができて、とても面白かったです。これまで内容はとても面白い小説なのに、言葉の難しさやテーマの難しさで、面白さを伝えきれなかったと感じることがあったので、カットイメージを実践して、小説の面白さを伝えていきたいと思いました。本日はありがとうございました。
③小説の授業がともすれば内容説明で終わってしまっていたことを反省しています。物語の全体的、表面的な読み取りを短時間で終えて、その後に本日の講座のような「カットイメージ」による読解を対話形式で進めていけば、生徒の理解は深まり、教科書以外の小説への関心も広がっていくと思います。読解力がつけば、表現力も高まり、受験対策にもなると考えます。

4)東京都教育委員会主催公開講座を受講した方の感想
①カットイメージは、新鮮で刺激的な手法である。講座の進め方は段階を追ってわかりやすく、たくさんの発見があった。自分自身、想像力が膨らむのが実感できた。今後の読書の仕方が変わってくると思う。(60代 男性)
②ていねいでわかりやすい講座でした。午前中にボランティアをしてから参加するので、居眠りが心配でしたが、いつも頭の中は研ぎ澄まされ、楽しく学ぶことができました。カットイメージを使うと、小説の内容が深く掘り下げられて理解できます。好みと違う本も読んでみようかという気持ちになりました。(60代 女性)

〈カットイメージ誕生物語〉「カットイメージ」はなぜ生まれたのか? 
1)なぜ国語の授業はつまらないし、力もつかないのか

 あなたは、国語の授業で小説を読むのが楽しくなったり、読む力がついたりすると思いますか? 
 私は、自分が中高生だったときからそれが疑問でした。先生は生徒に質問をしますが、いろいろな意見を言わせても、最後はできる子が発言して、先生が正解ですと言って終わりです。けっきょく先生の求める答えを探すだけだから、おもしろくないし、自分で読む力もつかないのではないでしょうか。

2)楽しく学び合える読書会は可能なのか
 また私は、高校時代は図書委員会で読書会の司会をし、大学でも文学サークルを主宰して仲間内で読書会をしていましたが、口達者な人が好き勝手な意見を言い、おとなしい人はそれを拝聴するばかりというのがいつもの光景でした。それでいいのかと疑問を持ちながらも、解決する手立ては見つからなかったのです。
 一人一人の個性的な読み方を大事にしつつ、お互いにその違いを楽しみ学び合って、個人の読みも深まっていく。そして、その小説のおもしろさを再発見する。そんな授業や話し合いはできないか。それが私の長年のテーマになりました。教師になってからは、いろいろなやり方を工夫し、授業の中で試行錯誤しましたが、なかなか「これだ」というものは見つかりませんでした。

3)イメージ瞑想の体験

 一方、幼いころからさまざまな劣等感に悩んできた私は、中学時代にセルフコントロールの技法「自律訓練法」を知って少しずつ実践し、関連する本を読んでイメージ練習にも取り組みました。要するに心身をリラックスさせ、映像や五感のイメージを思い浮かべて、自分の心と体に気づきを深めたり、身につけたい行動をイメージトレーニングしたりするものです。高校、大学と進み関連する本を読んで、イメージ体験も深まり、少しずつ自己成長もしましたが、心の問題を根本的に解決するには至りませんでした。

 その後教員として初めて赴任した工業高校の定時制で生徒との関係が悪化し、早期の転勤を余儀なくされるという、大きな挫折に直面しました。そこで私は、自分の人生の立ち直りをかけて、本格的に「自律訓練法」に取り組むことを決意し、毎朝30分座ってイメージを見るという瞑想を習慣にしました。その結果、幼いころから悩んできた心の問題を解決し、安心と自信を得て、教師としても生き生きと働くことができたのです。

3)試行錯誤からカットイメージのアイデアへ

 そうしてイメージの効果を実感した私は、これを授業に応用したいと思いました。そのため、目を閉じた生徒たちに古文を読み聞かせてその内容をイメージさせたり、短歌や俳句からイメージした情景を文章に書かせたりなど、さまざまなことを試みました。しかし、短い文からイメージを膨らませるのは容易でも、長文になる小説の読解にイメージを活用するのは、なかなかうまくいきませんでした。
 やがて、その問題を一気に解決する「カットイメージ」というアイデアがひらめきました。授業でやってみると生徒たちは集中して作業に取り組み、内容をしっかりと理解して自分の考えを言うようになります。

4)大学院での心理学実験で効果を検証
 また教員の派遣研修で、長年夢だった大学院で心理学を学ぶ機会を得た私は、学習心理学の研究室で「カットイメージ」の研究に取り組みました。
 大学生や高校生を被験者にした実験の結果、「カットイメージ」の作業をした学生は、「イメージしなさい」と言われて「段落分け」作業に取り組んだ学生たちより理解度テストが好成績でした。また、数週間後に小説の内容を思い出して書いてもらったところ、カットイメージで読んだ学生たちは物語の山場の場面の記憶率がよく、小説から得た感動も大きいことが実証されました。
 その後10年以上、日本教育心理学会で毎年、カットイメージに関する研究を発表してきました。

5)生徒にもより広い世代にも役立つ読解法へ
 この手法を20年にわたって定時制や全日制の高校の授業の中で実践し、磨きあげて来たのが、現在の「カットイメージ」です。この方法を使えば、個人の読みを深めるだけでなく、それを共有して、互いの学び合いにつなげていく授業が可能になります。
 この方法は現在、国語の先生方の間に少しずつ知られるようになり、さらに、都の公開講座や一般向け体験講座を通じて年齢、職業を問わず、「読書体験が深くなる」「映画を観たように記憶が鮮やかに残る」「脳が活性化する」と好評を得ています。
 カットイメージは、国語の授業を生徒主体の学習に変えるだけでなく、より多くの世代に読書の喜び、語り合いの楽しさも提供するのです。

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