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小林志郎ゼミ TIS/D&TE since 2015 Season 5 No.4 2月ゼミ「スキルの点検とテキストを使った稽古」

開催日時 19:00 21:30
定員22名
会費1500 (学生1000円)円
場所 東京都新宿区東京都新宿区大久保2-12-7 戸塚地域センター 集会室1

第5期のプログラムの中核となるテーマを以下のように設定しました。(2019年11月)

1.「演劇人として(個々人として)の体力・スキル、知力、感性を磨き、その重さと職能を鍛える」
2.「合理的な創造理念、訓練方法、芸術家の倫理などを総合したプログラムを構築する」

◆具体的な取り組み
・テキスト:Lanford Wilson作「This is the Rill Speaking(もしもし私、せせらぎです)」
・活舌のスキルを習熟させるため、五十音「アイウエオオエウエアアキステノノテスキア」に挑戦する。
・ベテラン俳優の身体基礎訓練に利用されているエアロビクスを採用。それにより体力・呼吸・コントロール・感性(身体感覚)などの機能を維持し、失った(忘れた)エフォートを復元する。
・ドラマ(シアター)ゲームを通してパーフォーマーとしての人間性、感性、技能を磨こう。

本日のプログラム「スキルの点検とテキストを使った稽古」
1 五十音を使った滑舌訓練と息の使い方の訓練
 ■1呼吸で「あいうえおおいうえああきすてののてすきあ」を言う。
 ■1呼吸で「あいうえおおいうえああきすてののてすきあ」を2回いう。
2 アチーブメント・スタンダード(達成基準・目標)は、ワン・ブレスで3回言えるようにな
 ること。
3 身体のウォームアップ(エアロビクスダンス)
 ■音の寸法を体と頭に染み込ませる。少し意識的で、少し染み込むのを待つ。時間と努力が必
 要だろう。
 ■重要なのは呼吸である。どこで呼吸をしているか見つける(気づく)。呼吸の回数と呼吸の
 量、呼吸のスピードを発見する。自分がベターと思う回数、量、スピードを獲得する。
4 シーンの分析
5 役の分析
 役の5つのフェーズを把握する。「身体的フェーズ」「社会的フェーズ」「文化的、教育的フェーズ」「道徳的、倫理的フェーズ」「経済的フェーズ」についてディスカッションする。
★「This is Rill speaking」29シーンの香盤表配布予定。

付記
鶴屋南北作『金幣猿嶋郡(きんのざいさるしまだいり)』の全ページを入力し終わりました。

三建目
第一場 九(く)頭(ず)龍(りゅう)明神の場
第二場 旗(はた)指(さし)山の場
第三場 鼓ヶ滝の場

四建目
第一場 宇治通(つう)円(えん) の場
第二場 橋姫社の場
大詰
筑波山塞(さんさい)の場

以上です 。A4で、約220ページあります。約500の注をつけました。とりあえず、「通読」していただけるよう準備します。
 以下に少々解説・説明文を付記します。

 Performing Arts Resource Centers (PARCs)は簡潔にまとめているので紹介する。
 「江戸中期の歌舞伎は基本的に一番目狂言(時代物)、二番目狂言(世話物)にわかれ、一番目に(は)三、四幕、二番目に(は)三幕という構成で、一日かけて上演された。大抵、一番目狂言は三建目から始まり、四建目、五建目、大詰と三、四幕で 終わり、その後、二番目狂言が始まり、二、三幕で終わる。」

「番立、脇狂言、一番目狂言の序開、二建目、三建目、四建目、五建目、大詰、二番目狂言の序幕、中幕、大切 (おおぎり)」二建目は二立目、二つ目ともいう。見習い作者が脚本を書き、下級の役者(中通り)が演じる。三建目は三立目、三つ目ともいう。一番目狂言の序幕に相当するといわれている。四建目は四立目ともいう。一番目狂言の二幕目。大詰は一番目狂言の最後の幕である。

 日本国語大辞典によると、「番立(ばんだち)」とは、序幕の開幕前、下級の役者が三番叟を舞う。舞台を清め、大入りを祈る儀式。また、その囃子。そもそも「三番叟」とは、翁を太夫元,千歳(せんざい)を若太夫,三番叟を座頭役者が勤めるもので,天下太平,五穀豊穣(ほうじよう),芝居繁盛を祈願する心であった。毎日儀式を行うわけにはいかないところから,下級俳優による略式の《三番叟》がつくられ,これを〈番立(ばんだち)〉といった。明治中期までは小劇場で開演前に演じられ,今日は地方の地芝居にその習慣が残っている。

 下線部分は文献や伝承でしかなくなった。しかし今日もこの上演形式は文楽人形の上演(興行というのが正しい)に残っている。文楽では、本番直前に、若手の人形遣いと若手の囃子方が三番叟を演じる「番立」を行う。私が1960年代に文楽の舞台監督を拝受した。初めて担当した、初日の昼の部の公演(まさに小林のはじめての公演)で、「番立」の存在を知らず、大恥をかいた記憶が消えることはない。
 

小林志郎

通円茶屋は吉川英治の小説「宮本武蔵」にも出てきますが、創業は平安時代末の永暦元年(西暦1160年)にさかのぼります。元祖は源頼政の家臣で、古川右内という武士でした。晩年隠居をして頼政の政の一字を賜って太敬庵通円政久と名乗り、宇治橋東詰に庵を結びました。その後子孫代々、通円の姓を名乗って宇治橋の橋守(守護職)を仰せつかり、道往く人々に茶を差し上げて橋の長久祈願と旅人の無病息災を願ってきました。現在の建物は、寛文十二年(1672)に建てられた江戸時代の町家の遺構を残す建物で、正面から見ますと、深い庇(ひさし)と、間口が広いわりに柱を少なくした建物となっています。これは昔から賑やかな往来の人々が、出入りしやすいように考えたためで、太い梁(はり)を使ってはね木を押さえている江戸時代初期の建築方法です。店の間には数百年を経た茶壷がならび、一休和尚より賜りました「初代通円」の木像が祀られています。足利義政・豊臣秀吉・徳川家康を始め諸大名も、この茶屋でお茶を召し上がって行かれたことが記録に残っています。
定式に則れば五建目があるはずである。しかるに、底本とした「大南北全集」所収本に、これを欠いているので、確かな所を確かめ得ない。評判記によると、冠十郎の評中に「五位め、家主ゑんまの正兵へ」、坂田半五郎の評中に「五立目、与吉」と役名を載せるのみで、他の役者にはまったく記事がない。(中略)実際には五建目というものは上演されなかったのかも知れない。」鶴屋南北全集・三一書房・12巻(服部幸雄)
二番目狂言のあとにつける一幕物。切 (きり) 狂言。goo辞書

【このような方のご参加をお待ちしてまおりす】
☑学びを深めたい俳優・演出家
☑演劇的アクティブ・ラーニングを探求する方
☑演劇教育を導入したい教育関係者
☑演劇部顧問の先生方
☑演劇教育に興味・関心のある大学生(条件が整えば、卒論・修論の指導を行います)
☑一般の方
【ゼミ予定日】毎月 第2木曜開催    ※単発での参加も可能です

【講師】
《小林志郎》
東京学芸大学名誉教授・元副学長。有明教育芸術短期大学終身名誉学長。高等教育におけるパーフォーミング・アーツ(演劇・舞踊・音楽)教育のフィロソフィの構築とその実際に尽力。理論の中心は、日本の伝統芸術(能狂言と歌舞伎、日本舞踊、日本の伝統音楽)の基礎教育と西洋の芸術教育との融合におかれた。専門は演劇教育学、現代演出論。本ゼミのトータルコーディネーター。

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drama.edu.zemi@gmail.com
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