開催日時 | 10:00 〜 15:00 |
定員 | 50名 |
会費 | 8000円 |
場所 | 東京都文京区本郷7丁目3 東京大学(本郷キャンパス 教育学部棟) |
2020年の教育改革に向けて、教師に対する変革の要求が強くなってきています。「正直、どうしたらいいのかわからない」と困っている方も多いのではないでしょうか。
授業は教師自身を写し出す、そして、よい教育は教師の能力(スキル)と器(あり方)から生まれると言われています。つまり、よい教育実践をしようとしたときに、その両方を成長させる必要があるということです。しかし、授業のスキルを紹介する教師向け講座は数多く存在しますが、人間の「器」を扱った教師向け講座はほとんど存在しません。
また、教師の仕事は心も体も忙しく、ストレスの大部分は対人関係によるものと言われています。教師は、子ども、保護者、同僚、管理職など様々な人と関わりながら教育活動を実践しています。そのなかで、感情的に傷つく場面もあるでしょうし、その対処の仕方がわからなければ、自分の中で感情の傷がしこりのようにたまってしまいます。その状態で教室にい続けると、影響は子どもにも及んでいきます。だからこそ、教師が自らリラックスして自分に優しくなる方法を知ることが必要なのです。
本講座では、人間の「器」を磨くことと、自らを癒すことを学びます。「器」と「癒し」により、心の底から自分を信頼すること、自分が満たされた感じになること、健全な自己肯定感、健康的な自信を育むことを目指します。こうしたことを実現する方法の1つとしてマインドフルネス、コンパッショントレーニングを紹介します。心や意識というものが脳科学や生理学などの分野で近年ますます研究が進み、マインドフルネスやコンパッショントレーニングが特定の宗教的取り組みではなく、心と体がより健康的な状態、ウェルビーイングに繋がることが世界的にも研究で明らかになっています。そのなかで、教師のマインドフルな状態が、子どもの健全な社会性、幸せに生きる力、そして学ぶ意欲を育むということが実証的にもデータとして示されるようになってきているのです。
講師のDr. バリー・カーズィンは、アメリカ人の医師でもあり、ダライ・ラマ法王の担当医師として、30年以上にわたり瞑想実践に取り組んできました。現在、アメリカ・ワシントン大学にて実際に若者への教育にも携わりながら、医師として、また、長期瞑想実践者として、世界的科学者の研究チームと共にマインドフルネスの研究に携わっています。教師が、マインドフルネス(今ここに意識を向ける)、コンパッション(温かい思いやりの心)、レジリエンス(折れない心、回復力)を育むことの大切さを、科学的研究データを用いた講義と瞑想実践、さらに現役教師や教育研究者とともにワークを通して学びます。(講師による講演は英語で行われますが、日本語通訳が付きます。)
今回は連続講座として開催します。一講座だけの参加も可能ですが、なるべく全ての回に参加することをおすすめします。なぜなら、学びを自分のものにするためには、練習が必要だからです。一度Dr. バリーと接するだけでも自身の中での変容に気づくことができます。しかし、自身がつかんだ感覚を日常で実践するために、実践の気づきを共有し、チームで学びを深めることで、より豊かな心のあり方を育んでもらいたいと思っています。また、本講座は学校の先生を主な対象者としていますが、教育に携わる方であれば類似点が多いと思いますし、お互いに学ぶことも多いと思います。ぜひ奮ってご参加ください。
https://jp.humanvaluesinstitute.org/5916/2018091011_education/